任意整理中にお金が必要になったらキャリア決済を利用しても良い?
ざっくりポイント
  • なぜ任意整理中にお金が借りられない?ブラックリストの仕組み
  • 任意整理中キャリア決済を利用しないほうが良い
  • 任意整理中返済が厳しくなった場合

目次

【Cross Talk 】任意整理中にお金が借りられない!キャリア決済を利用しても良い?

私は今任意整理をしている最中です。先月従兄弟が結婚してご祝儀を渡す必要があり、返済をすると生活費が足りなくなりそうです。急場をしのぐために、スマートフォンのキャリア決済を使ってみようと思っています。

あまりおススメできません。
その理由と、どうしても返済できない場合の対応方法と一緒に確認しましょう。

はい、よろしくお願いします。

キャリア決済は危険なことも?任意整理中にどうしてもお金が足りない場合の対応策についてチェック

任意整理をして毎月の返済が始まった後に、どうしてもお金が足りないというケースがあります。この場合にキャリア決済を利用してしまうのは危険である場合があります。
その理由を、どうして任意整理中にお金が借りられないのかということと併せて確認しましょう。

任意整理をしたら借入ができない理由

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • ブラックリストの基本的な仕組み
  • 「ブラックOK」は闇金融!絶対に利用しない

そもそもどうして任意整理をしたら借り入れできないんでしょうか。

借り入れの可否はブラックリストに掲載されるかによって決まるため,まずブラックリストの仕組みについて確認しましょう。

お金が厳しいのであればお金を借りれば良いのですが、任意整理などの債務整理をすると借入ができなくなります。
その仕組みを確認しておきましょう。

任意整理をしたら借入ができないのはブラックリストだから

任意整理をすると借入ができない理由は、いわゆる「ブラックリスト」となるからです。
ブラックリストとは、信用情報機関に債務整理や延滞などの事実が登録されている状態をいいます。
特別なリストで管理をしているというわけではなく、一般的にこのように呼ばれているだけです。

貸金業者から借り入れをする際に、信用情報機関が保有している信用情報の参照を行うのですが、この信用情報に任意整理などの債務整理をした場合や、長期間(2ヶ月程度)延滞をした場合に記載されます。
この記載があると貸金業者は貸付を行わなくなります。
ですので、貸金業者ではなく、信用情報での審査を行わない会社や親族から借り入れることは可能です。

ブラックOKという貸付は闇金融!利用するとどうなるか

スポーツ新聞やSNS・道や公衆電話に張られている掲示物などで、「ブラックOK」という貸付の広告が張られていることがあります。

これらは、闇金融の広告がほとんどで、一度借入をすると返済できなくなると、親族や職場など知れている連絡先に脅迫するような内容で電話をかけ続けます。
社会的な信用を失い、事実上職場を追われるようなことにもなりかねないので、絶対に利用してはなりません。

任意整理後にキャリア決済をしてはいけない

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 任意整理後にキャリア決済を利用すると任意整理の計画が狂って返済できなくなることも
  • 返済が厳しくなった場合の対応方法

任意整理後に返済が厳しいときにキャリア決済を利用しないほうがいいですか?

実質的には借金なので、あとあと不利益を被る可能性があります。対応方法と一緒に確認しましょう。

任意整理後にキャリア決済をしてはいけないのには次のような理由があります。

キャリア決済は実質的にクレジットカードの利用と一緒

キャリア決済がどのような性質をもっているか確認しましょう。
毎月のスマートフォンの利用料金の支払いと一緒に後払いする形で物品の購入をするのがキャリア決済です。
ブラックリストになっていても利用できる場合があります。

キャリア決済は、あとから払ってもらうことを前提で与信をあたえるものですので、実質的にはクレジットカードの利用と同じように考えることが可能です。

任意整理計画に支障を及ぼすおそれがある

苦しいときにキャリア決済を利用すると、一旦は支払いを延ばすことができます。
しかし、クレジットカードと同様に利用できることから、利用することが癖になると、残額を確認せずにどんどん利用してしまうことがあります。
これによって、毎月の返済がどんどん苦しくなってしまって、任意整理計画に支障をきたすことになってしまうことがあります。

自己破産手続きに移行した際に免責不許可事由となる可能性がある。

任意整理の支払いが苦しくなってくると、場合によっては自己破産手続きに移行することになります。
この時に再度弁護士に依頼した後に、キャリア決済だからといって支払いをすることによって、実質的には借り入れを返済したと評価され、破産法252条1項3号の不当な偏頗行為に該当し、免責不許可事由となる可能性があります。

また、キャリア決済で購入したものを換金するような場合には、破産法252条1項2号の行為に該当する可能性があります。
その結果、免責の調査が必要であるとし同時廃止事件が少額管財事件となって引継予納金の支払いが必要になるなど、自己破産手続きが不利となる可能性があります。

どうしても支払いできない場合の対応方法

では、どうしても支払いができない場合にはどのような対応が良いのでしょうか。
任意整理の支払いは2回分(もしくは2回)支払わなければ、一括請求できるとされていることがほとんどです。

支払えるお金が全くない場合には、再度の債務整理によって自己破産・個人再生をすることを早めに検討するようにしましょう。

まとめ

このページでは、任意整理ができなくなったときに、携帯・スマートフォンのキャリア決済の利用をすることの是非についてお伝えしました。
キャリア決済は、実質的にはクレジットカードの利用と同様の行為であり、借金や立替金と同じです。
使いすぎによって任意整理の返済ができなくなったり、自己破産手続きにおいて少額管財となってしまうきっかけになる可能性もあります。
返済が厳しい場合には弁護士に相談をして、再度の債務整理など適切な方法を検討してもらいましょう。