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- 「借金」の中身がわからなければ解決策は見いだせない
- 他人の債務を自分が負わされることはない
- 返済が難しいと判断できる場合には債務整理を検討する
【Cross Talk】家族に借金が発覚！？その時どうする
私は専業主婦なのですが、夫を小遣い制にしていたところ、夫がパチンコにハマっていたようで隠れて借金をしていて、返済できなくなっていました。この先どうすれば良いでしょうか。
借金の中身をしっかり整理をして、支払うことができるのか・できないのか、といった事を整理してから行動を考えましょう。
冒頭クロストークのように、夫に急に返済ができなくなるほどの借金が発覚した！という場合には、妻としては多額の借金を負うことになったので生活が一変してしまう、借入原因がキャバクラや風俗であったような場合には裏切られた、という気持ちになってしまい、慌てて相談することはよくあります。
ただし、夫に借金があった！どうすればいいですか？という相談をいただいても、その借金は消費者金融からですか？銀行ですか？はたまた闇金ですか？といった事や借金の額と返済に必要な額、世帯の収支の状況などがわからないと、適切な対応策も見えてこないものです。
まずは、その後どのような事が考えられるか？という事を考えながら、正しい対処法を知りましょう。
まずは落ち着いて家族の借金の状況を整理しよう
- 状況を正確に把握しなければ、具体的な行動を取ることができません。
家族の借金を見つけた場合、まず何をすれば良いのですか？
まずは状況の整理が必要です。どのような整理をするか確認しましょう。
家族に突然借金があることが判明したような場合、自分がこれからどうなるのか、自分は裏切られたのか？といった思いだけで行動をしてしまうことは良くあります。
気持ちはよくわかるのですが、その間にも借金の返済期限は毎月毎月到来し、すでに期限が過ぎていて払えなくなっているものについては遅延損害金が発生し、自宅や家族の電話には督促が繰り返され、支払いを督促する郵便物が到達する…という状態になります。
中には、職場や実家、夫婦の一方に執拗な返済を迫るもの、裁判所からの突然の通知、といった事態になっているものもあるでしょう。これらについて、「借金」があると判明しただけでは、解決をする具体的方法を考えるのは非常に難しいのです。
それらが消費者金融や銀行などの貸金業者であれば、支払うことができるのならば支払う、支払うことができないのであれば債務整理をする、ということを判断することができます。
それらが闇金であるような場合には、法的には返済義務が無いものですが、とはいえ闇金に対する対抗策を練らなければなりません。
考慮する必要のある項目としては次のようなものがあります。
・どのくらいの期間借りているのか
・連帯保証人や担保といったものはついていないか
・家計から見て返済ができるかどうか
・このまま支払いをしていくのか、支払える金額ではないので債務整理をするのか
このような事を考慮した上で弁護士に相談するのが望ましいといえます。
家族の借金は返済する必要は原則ない
- 家族がした借金を自分が払う義務はない
- 連帯保証人・相続などで「自分の債務」として支払う義務がある可能性はある
夫がした借金なので、やはり私も支払う義務があるのでしょうか。
いえ、法的には支払う義務はないです。
家族の借金が発覚したときに最初に思うこととしては、この借金が自分にふりかかってくるのではないか…つまり家族の借金の支払い義務が自分にもあるのか？という事になります。
まず、結論としては、家族の借金であっても自分には支払い義務はないということです。お金を払ってくださいという権利のことを金銭債権といいますが、権利を持っている債権者が請求できるのは、あくまで支払う義務のある債務者に対してだけであり、第三者が支払わなければならないとする言われは、たとえ夫婦・親子といえども無いのです。
ただ、連帯保証や相続がある場合は支払い義務がありますが、それらはあくまで保証債務の履行や相続による債務の承継によって自分の債務として支払いをする義務があるだけです。
なお、連帯保証人にされている事を知らない場合には、連帯保証は無効であると判断されます。もし貸金業者から督促を受けているのであれば、弁護士に相談してみてください。貸金業法に違反する違法な取り立てが行われている可能性があるかもしれません。
債務整理をすることで借金を減額できる
- 支払いができない場合には借入をしている本人に債務整理をしてもらいましょう
夫と話してみたのですが、消費者金融と信販会社からかなりの金額を借りており、夫婦の収入だけでは返済する余裕があまりありません。どうしたら良いものでしょうか。
借入をしている夫に債務整理をしてもらうのが一番でしょう。
夫など家族の債務については返済する義務が無いことは分かったとしても、夫に支払い義務があり、家計が一緒であるのであれば事実上支払い義務があるようなものと考えるのが通常です。
その支払い額が非常に多額で、今後の家族の家計を圧迫するような場合や、そもそも支払いができないといえるような場合には、債務整理を検討しましょう。
債務整理には任意整理・自己破産・個人再生といった方法があるのですが、これらの手続きは家族が本人に無理やり手続きさせることはできず、あくまで本人が直接弁護士に申し込みをする必要があります。
中には本人としては債務整理なんかするくらいなら夜逃げしよう・自殺しよう…といった考えを持ってしまい、弁護士への相談をためらう方もいらっしゃるかもしれません。
そのような場合には、本人の精神状態に応じて、やさしく付き添ってあげる、離婚をちらつかせて考え直してもらう、など本人が弁護士へ債務整理の相談をしやすい状況を作ってあげる事が必要になるかもしれません。
そのような行動をするために、借金をした本人に上記のような事情を聞いた上で、どのような対策ができるのかなどの相談をすること自体は有益であるといえます。
まとめ
このページでは家族の借金が発覚した場合の対処方法についてお伝えしてきました。
家族に借金があることで驚き・ショック・不安というような事情があると思うのですが、問題解決のためにはしっかり事実関係を確認することが必須です。
支払いができるのかどうかをしっかり見極めて、支払いができないと判断すべき場合には、債務整理を利用するなどして、賢くやり直しをサポートしてあげてください。
