延滞金で借金が膨大になっている場合には任意整理が有効!
ざっくりポイント
  • 延滞金(遅延損害金)を請求されていても任意整理は可能
  • 任意整理の交渉によって延滞金を全額・一部のカットができる可能性がある
  • 消滅時効にかかっている場合には延滞金も含めて支払わなくて済む

目次

【Cross Talk】延滞金を請求されている場合には任意整理によって大幅に減額できる

借金の返済を延滞してしまって、貸金業者から延滞金の支払いを求められていて、その額がかなりのものになります。こうなると自己破産しかないですか?

任意整理で延滞金を全額または一部カットできる場合もありますので、まずは状況を教えてください。

任意整理においては延滞金の全額・大幅なカットも可能!

裁判所の手続きをとらず、直接債権者と交渉して借金を減額させる方法である任意整理で借金完済を目指す方の中には、返済ができずに延滞金の支払いを求められている方もいらっしゃいます。

長期間の延滞により、元金の何倍もの金額に膨れ上がっているようなケースもあります。このような場合にはもはや任意整理は不可能…と思う方もいるかもしれませんが、任意整理を行うこと自体を禁止するものは何もなく、任意整理を利用することによってこの延滞金を全額・一部をカットすることも可能です。

そもそも任意整理ってなに?

知っておきたい借金問題解決のポイント
  • 任意整理の手続き概要を知る

借金をカットしてくれる任意整理とはどのような手続きなのですか?

任意整理とは裁判所の手続きをとらず、直接債権者と交渉して借金を減額させる方法の事をいいます。

前提となる任意整理というものについて知っておきましょう。

任意整理というのは、裁判所の手続きをとらず、直接債権者と交渉して借金を減額させる方法をいいます。

銀行でも消費者金融でも契約をすると元金・利息・支払いが遅れた場合に支払うことになる延滞金(遅延損害金)の支払いをしなければならないことになっています。
任意整理は、こういった債務の支払いについて債権者と個別に交渉をして、支払いの総額・毎月の返済額をより軽いものにしてもらう手続きの事をいいます。

現在では任意整理に関する実務が積み重ねられてきているので、弁護士が貸金業者と交渉をしたならば、借金の元金を36回(3年)の分割にして支払っていく、とういのが標準的な結果になっています。

つまり、A社への借入元金が50万円の場合には、将来の利息や延滞金をカットして、毎月約1万4,000円を36回にわたって支払っていく合意をするのが任意整理です。

延滞金を請求されていても任意整理自体は可能!

知っておきたい借金問題解決のポイント
  • 延滞金を請求されていても任意整理自体は可能
  • 延滞金は全部又は一部が免除される可能性が高い

その任意整理は延滞金が発生している状況でも使えるのですね。

はい、延滞金が発生している場合でも任意整理はできますし、延滞金も全部又は一部を免除してもらえる可能性が高いです。

支払いの遅延が発生して、延滞金が発生している場合でも任意整理はできるのでしょうか。

まず、延滞金というのは、支払い期日を過ぎても支払いができていない場合をいい、利息に加算されて支払う金銭のことをいいます(遅延損害金ともいいます)。

この延滞金が発生している場合でも、任意整理をすること自体は法律で禁じていたりするわけではありませんし、「貸金業者も延滞金が発生している案件なので任意整理をしません」というような対応を取るわけではないので、任意整理は可能です。

上記の任意整理の内容としてお伝えしたいのですが、任意整理によって、以後の利息のみならず延滞金もカットしてもらえたり、一部の支払いで済ませてもらえたりする場合もあります。

任意整理が成功するかは貸金業者との交渉次第!

知っておきたい借金問題解決のポイント
  • 任意整理は交渉なので相手方である貸金業者次第で成功・失敗が決まる

任意整理の手続きに入ることが可能であれば必ず分割弁済にしてもらえますか?

いいえ、一部の貸金業者は任意整理に応じないことがあります。すべては貸金業者との交渉次第といえます。

自己破産や個人再生は当事者が反対をしても最終的に裁判所が決定を出せば債務の免責・減額をしてくれます。
これに対して任意整理は貸金業者との個別の交渉によります。

これは残念な事なのですが、任意整理に非協力的な貸金業者もあり、債務整理のどの手続きを利用しても、すぐに訴訟を起こしてくるようなところもあります。
自分が借りている貸金業者が任意整理に応じる会社なのかどうかは、弁護士に相談をするなどして確認をしてみてください。

古い借金の請求であれば時効が成立していて支払う必要がないかも

知っておきたい借金問題解決のポイント
  • 2020年4月1日までに貸金業者から借入したものについては5年で消滅時効にかかる

延滞をして5年以上たつので、延滞金がものすごいことになっているのですが任意整理はできますか?

もし5年以上たっていて、裁判を起こされていないような場合には時効にかかっていて、内容証明を送れば支払いから免れる可能性があります。


刑事事件について長期間逮捕・起訴されない場合には「時効」によって罪にならない…という時効の制度がある事を知っている方も多いと思います。
この時効の制度ですが、民事上の請求にも同様に時効の制度があり、一定以上の期間請求をしていない債権は時効にかかるとされています。

貸金業者が営業のために貸付をする債権は、2020年4月1日までの法律ですと、商事債権として5年の消滅時効にかかるとされています(商法522条)。
このような場合には、任意整理をしなくても、消滅時効の主張をすることによって支払いをしなくて良くなる可能性があるのです。

消滅時効は時効に必要な期間が経過すれば自動的に債権が消えるわけではなく、「援用(えんよう)」という行為が必要です。

援用というのは、「債権は時効にかかっていて、時効の制度による債権の消滅を主張します」ということを相手に伝えるものなのですが、通常は内容証明を利用します。
この時効ですが、裁判をされていたり・債務者が債務の存在を承認していたりするような場合には、時効の中断というものが生じて時効が完成していない場合があります。

また,裁判をされるだけでなく判決まで出てしまっている場合には,新たに時効がスタートするので,郵便物には十分に注意しましょう。

まとめ

このページでは、このページでは延滞金が発生している場合の任意整理についてお伝えしてきました。
延滞金が発生している場合でも任意整理はできますし、延滞金は全部・又は一部の免除をしてもらえたり、長期間返済ができていない場合には時効の主張をできたりする場合もあります。
まずは弁護士に相談してみるようにしてください。