- 催告書とは?
- 催告書を無視した場合にどうなるか
- 催告書を受け取った場合の対応方法
【Cross Talk 】催告書を受け取りましたがどう対応すれば良いでしょうか?
借金の返済が長期間できておらず催告書を受け取りました。そもそもこの催告書とはどのようなものなのでしょうか?無視するとどうなりますか?
催告書自体は借金の返済を促すもので、受け取ったからといって何かの法律的な効果が発生するわけではありません。しかし、無視しておくと最終的には訴訟を起こされて給与に対して強制執行を起こされます。早めに対策を練りましょう。
どんな対策がありますか?教えてください。
貸金業者への返済が滞ると督促が行われます。その方法として送付されてくるのが催告書です。
催告書を受け取ったにも関わらず無視をしているとどうなるのか?催告書を受け取ることになった場合の対応策にはどのようなものがあるのか、確認しましょう。
催告書とは?
- 催告書とはどのようなものか
- 督促状との違い
催告書とはどのようなものでしょうか?
延滞している借金等の返済を求める書面です。督促状とも呼ばれ、両者を区別する必要はありません。
催告書とはどのようなものでしょうか。
催告書とは
催告書とは、一定の行為をするよう求める書面のことをいいます。
借金をした場合には、債権者は債務者に対して、金銭の支払いをしてもらう債権を有しており、その履行がない場合には督促を行います。
督促としては、貸付時に申告した電話番号に電話をする方法と、申告した住所に書面を送る方法がよく利用され、この書面によって返済を催告する書面のことを催告書と呼んでいます。
特に法律に定められていて、受け取った人が何かをしなければならない、ということが規定されているわけではありません。
督促状の違い
借金の返済ができなくなった場合に受け取る書面としては「督促状」という書類もあります。
督促状は、一般的な用法としては、相手に何かを督促するためのもので、催告書と区別する必要はありません。
なお、税金を納期限までに完納しない納税者に対して督促状という書面が送られますが、税金に関する督促状と借金に関する督促状は別物です。
催告書を無視したらどうなる?
- 催告書を無視した場合に起こること
- 最終的には裁判を起こされ給与の差し押さえがされる
催告書が届いても無視しているとどうなるのでしょうか。
最終的には裁判を起こされ給与の差し押さえがされます。
催告書を無視するとどうなるのでしょうか。
事故情報が登録される(ブラックリスト)
まず、催告書とは直接関係ないのですが、延滞が長期に及ぶと発生する不利益として、事故情報の登録があります。
事故情報とは、信用情報に延滞した旨の記録がされることで、これによって新たな借入・クレジットカードを作ること・携帯電話の分割購入などができなくなります。
残債務を一括請求される
催告書を無視していると、残った債務を一括請求されることになるのも知っておきましょう。
長期間延滞して、催告書を無視していると、期限の利益を喪失することになります。
期限の利益とは、返済期になっていない債務について請求をされても、これを拒むことができる債務者の利益のことです。
30万円の借り入れをしていて、毎月1万円の返済となっている場合に、この1万円の返済をきちんとしていれば、残った29万円の返済を求められても拒否することができます。
催告書を無視し続けると、この期限の利益を喪失する旨の契約になっており、残った金銭について一括請求されることになります。
期限の利益喪失の詳しい内容に関しては、「期限の利益喪失は?対処法まで解説」をご覧ください。
債権者から裁判を起こされる可能性がある
それでもまだ催告書を無視していると、債権者から裁判を起こされます。
裁判所から自宅に訴状が届くこともありますが、支払督促という別の手続が行われ裁判所から書類が届くこともあります。
財産が差し押さえられる
裁判をしてもまだ無視しつづけていると財産の差し押さえがされます。
借金の返済ができないような状況で差し押さえることができる財産は限られています。
しかし、給与は1/4が差し押さえの対象になり、一度差し押さえられると毎月債権者への支払いに当てられることになります。
手取り額が減る上に、会社にも知られるので、こうなる前に対応をきちんとしなければなりません。
催告書が届いた時の対処法とは
- 催告書が届いた時に対処方法
- 時効にかかっていないか・架空請求ではないかなどを確認して直ちに支払う
催告書が届いた場合の対処方法にはどのようなものがありますか?
時効にかかっていないか・架空請求ではないか、ということを吟味したうえで、直ちに支払うようにしましょう。
催告書が届いた時にはどう対処すべきでしょうか。
時効を確認
長期間延滞していて催告書が届いていなかったにもかかわらず、急に催告書が届くようになることがあります。
このような場合には時効にかかっていないかを確認しましょう。
債権は時期や債権者によって5年~10年の消滅時効にかかることになっています。
その期間を超えている場合には、時効にかかっており、時効の援用をすることで債務の支払いを拒むことが可能となります。
架空請求かどうかを確認
催告書が見に覚えのないものである場合には、架空請求ではないかを確認しましょう。
特に、実在しそうな名称からの催告書を使って架空請求がされることがあるので(例:国民生活センターに寄せられた事例としては「法務省管轄支局 国民訴訟通達センター」という名称を用いていたものがあります)、そのような請求には一切応じないようにしましょう。
催告書が届いても支払えない場合はどうすれば良い?
- 催告書が来ていて返済できない場合には債務整理
- 債務整理には任意整理・自己破産・個人再生がある
催告書が届いていますが、返済をするのが厳しい状態です。どのような対応をすれば良いでしょうか。
債務整理をすることをおすすめします。
催告書が届いたけども、支払うことができない場合には、債務整理を検討しましょう。
弁護士に相談する
債務整理をする場合はもちろん、催告書が届いたけども債務整理をすべきかについても弁護士に相談してみると良いでしょう。
例えば、債務整理はしたくないような場合で、冠婚葬祭等急な出費で1ヶ月だけ支払えないという状況もあるでしょう。
しかし、状況を全体的にみると、多かれ少なかれ返済ができなくなる状態になっていないか、などを弁護士とともに検討することが重要です。
債務整理を検討する
債務整理には主に次の3つの手続きがあります。
任意整理
裁判所の手続きをとらず、直接債権者と交渉して借金を減額させる方法を「任意整理」といいます。
任意整理には、将来的に発生する利息や遅延損害金をカットすることができるというメリットがあります。
一方で、元金はすくなくとも返済する必要があり、後述する個人再生や自己破産に比べると減額される額は多くありません。
個人再生
裁判所に申立てをして、借金を減額してもらって、分割して返済するのが「個人再生」です。
住宅ローン特則を利用すれば、住宅ローンで購入した住宅を守ることができ、自己破産のように職業制限にもかからないというメリットがあります。
一方で、任意整理に比べると手続きが複雑である、減額はされるものの自己破産に比べると返済義務自体は残るというデメリットがあります。
自己破産
裁判所に申立てをして、借金を免責してもらうのが「自己破産」です。
自己破産は、任意整理・個人再生と異なり、借金を免責してもらえるというメリットがあります。
一方で、職業制限や居住地の制限などの各種制限がある、個人再生と同じく手続きが複雑であるというデメリットもあります。
まとめ
このページでは、催告書についてお伝えしました。
借金の返済ができなくなっている場合に、返済を求める書面が催告書です。
これを無視し続けると、最終的には裁判を起こされ強制執行となるため、早めに対処が必要です。
まずは弁護士に相談するようにしてください。