- 保証人が本人に代わって支払った場合には本人に請求できる
- 本人に請求できる権利のことを求償権と呼ぶ
- 返済が難しい場合には速やかに債務整理
【Cross Talk】保証人が債務者に返してくれっていう権利なんてあるの!?
私は借金をするにあたって保証人を立てていたのですが、私が支払えなくなり保証人が代わりに支払いました。
保証人になってくれていた方が弁護士に相談し、私に対して請求する権利があると言っています。やはり法律上もしっかり支払う必要があるのでしょうか。
法律上は保証人が支払いをした場合には求償権という権利をあなたに持っている状態になります。
法律上の権利ですので適切に対応することが必要になります。
中小規模の貸金業者や商工ローン・奨学金などの借入については保証人(連帯保証人)がついています。
主債務者が支払いできなくなると保証人が代わりに支払うことになります。
支出を代わりに行った保証人は主債務者に返済を迫ることができる法律上の権利を得ますが、その権利のことを求償権と呼んでいます。
求償権の行使は法律上の請求ですので、保証人に対してどのように支払いをしていくかを、きちんと検討しなければなりません。
求償権とはどのような権利なのか
- 保証人が主債務者に代わって支払った場合に、本人に請求することができる権利が求償権
そもそも、求償権という権利について詳しく教えてもらえませんか?
保証人が主債務者に代わって支払った場合に、本人に対して肩代わりした分を返してもらう権利のことをいいます。
求償権とはどのような権利でしょうか。
求償権とは?
中小規模の消費者金融や商工ローンから借り入れをする際や奨学金の申し込みをするにあたっては保証人(連帯保証人)をつけることがあります。
また、消費者金融からの借入れについては、消費者金融のグループ会社が保証会社として保証をしていることがあります。
主債務者(金融機関等からお金を借りた本人のことです)が支払いをできなくなった場合には保証人が支払いをすることになります。保証人は、主債務者の代わりに支払いをした場合、代わりに支払った分を主債務者に請求することができます。
この請求権のことを求償権(きゅうしょうけん)といいます。保証人の求償権については民法459条以下で定められています。
求償権を行使された時の対応
- 求償権を行使された時の対応は払うか債務整理をするか
保証人が代位弁済をして求償権を行使してきた場合にはどのように対応すれば良いでしょうか。
支払える場合には保証人と協議、支払えない場合には債務整理を検討しましょう。
求償権を保証人から行使された場合にはどのように対応するのが良いのでしょうか。
分割払いの交渉をする
当然ですが、求償権をもっている保証人に対しては支払いをすることが必要になります。
このとき、保証人は債権者に対して利息はもちろん遅延損害金も一緒に支払っているので、求償権としては債権者に支払った元金・利息・遅延損害金の額の支払いをしなければならなくなります。
まずは分割弁済に応じてもらえるように交渉しましょう。
ただし、保証人が銀行や消費者金融の保証会社のような場合には分割しての支払に応じてもらうことは難しいのが一般的なので、分割払いの交渉は、弁護士等の専門家に依頼した方が良いかもしれません。
相手が親族や友人などであれば、計画的に返済をできるように、分割での返済や、一時的に返済を猶予してもらうなどの交渉をすることになります。
債務整理をする
そこで、支払いができないような場合には債務整理をします。
債務整理には任意整理・自己破産・個人再生といった方法があります。
任意整理とは、裁判所の手続をとらず、直接債権者と交渉して借金を減額や分割払いにしてもらう方法です。
自己破産とは、裁判所に申立てをして、債務を免除してもらう手続です。
個人再生とは、裁判所に申立てをして、債務を減額したうえで分割して支払うようにしてもらう手続です。
求償権の額や請求する方の態度、その他の債務・借金の額、収入・支出のバランスなどによって、どの手続が適しているかは異なります。
例えば、求償権の債務額がかなりの額を占めており、保証人が分割の支払いに応じないような場合には、任意整理で支払っていくのは難しいと判断できるため、自己破産や個人再生の利用を考えた方が良いでしょう。
どの債務整理手続きが適切か判断できない場合には、債務整理に強い弁護士に気軽に相談してみましょう。
債務整理を弁護士に依頼するメリット
- 弁護士に依頼すれば督促がとまり落ち着いて債務整理に向き合える
求償権の他にも借金があるので債務整理をした方が良い気がしてきました。弁護士に依頼するメリットにはどのようなものがありますか?
業者からの督促を直ちにとめることができるので、一旦、業者への対応を考える必要がなくなります。また、自己破産・個人再生手続きを利用する場合、弁護士に裁判所とのやり取りを任せることができます。
債務整理を弁護士に依頼するメリットとして、法的なサポートを受けることの他にはどのようなものがあるでしょうか?
弁護士に依頼すれば督促を止めることができる
求償権を請求される事態に陥っているときには、すでに貸金業者などへの支払いができない状態になっており、電話や通知による督促を相当うけている状態ではないでしょうか。
弁護士に依頼をすれば、貸金業者からの電話・通知による督促をストップすることができます。
これは、貸金業法21条9号で、貸金業者は弁護士・弁護士法人に依頼をした場合に、正当な理由なく本人に督促をしてはいけないとされているためです。
求償権が請求されている状態は、保証人に負担をかけているので、心苦しい状態であるところに、多数の督促が来ていて、非常に精神的負担がかかります。
まずは督促を止めることで、落ち着いて債務整理をすることができます。
司法書士に依頼するよりも自己破産・個人再生において手続きを有利にすすめることが可能
債務整理は弁護士のみならず司法書士も業務として行っています。
ただし司法書士は、自己破産・個人再生手続きの場合、書面作成をすることはできますが、本人の代理人として、裁判所とのやり取りを代理することはできません。そのため、裁判所とのやり取りについては、本人が行う必要があります。
弁護士に依頼した場合、書面作成だけでなく、本人の代理人として、裁判所とのやり取りも弁護士が行ってくれます。
自己破産や再生手続きを司法書士や弁護士に依頼した場合、上記の違いがあることを注意しましょう。
まとめ
このページでは、求償権という権利の内容と、債権者の対応方法についてお伝えしてきました。
保証人が代わりに支払った場合の処理について、求償権という権利が発生し、請求をしてくる方が債権者から保証人に代わります。
求償権を持っている方との関係では適切な処理ができなければ返済全体に影響を及ぼすことがありますので、返済が難しい場合にはなるべく早く弁護士に相談をすることをおすすめします。