借金トラブルで発生する犯罪とは?
ざっくりポイント
  • 借金の返済ができないのは犯罪ではない
  • 借金に関して犯罪になる場合
  • 詐欺破産罪・詐欺再生罪になる場合

目次

【Cross Talk 】借金が返せないのですが犯罪になりますか?

前の会社に居た時に借金をしたのですが、転職して給与が下がり返済ができなくなりました。借金が返せないのは詐欺などの犯罪になるのでしょうか?

借金が返せないこと自体は犯罪にはなりませんが、借金にまつわる犯罪については注意しましょう。

詳しく教えてください。

借金が返せないのは犯罪ではない!借金にまつわる犯罪について確認

借金が返せなくなった場合、それ自体は犯罪ではありません。借金に関連してどのようなことを行なうと犯罪なのかを確認しましょう。

★大見出し

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 借金の返済ができないことは犯罪ではない
  • 裁判を起こされるのは民事裁判である

借金の返済ができないのは犯罪ではないのですか?裁判を起こされるのはなぜでしょう?

借り入れをしたときに返済をするつもりで借り入れ、結果返済ができなくなるのは犯罪ではあり

裁判は金銭の支払いを求める民事裁判がほとんどであり刑事裁判で起訴されることはほとんどありません。

<借金の返済ができないことは犯罪なのでしょうか。

借金の返済ができないことは犯罪ではない

借金の返済ができないこと自体は犯罪ではありません。
確かに、借金の返済を約束して、返済ができなくなったわけですから、良いことではないです。
しかし、このことを犯罪として処罰する規定がない以上、犯罪として処罰することはできません。

裁判をされるのは民事裁判であり、刑事裁判として起訴されることはほとんどない

借金も、返済ができなければ裁判を起こされます。
しかしこれは、刑事裁判ではなく、民事上の請求をするための民事裁判で、強制執行をするために必要な行為であるために起こされます。
ですので、犯罪だから裁判を起こされるされるわけではありません。

借金トラブルで犯罪となること

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 詐欺罪となる場合
  • 詐欺破産罪・詐欺再生罪となる場合

借金に関連してどんな犯罪に注意すべきですか?

詐欺罪と、詐欺破産罪・詐欺再生罪に問われる状況を確認しましょう。

借金に関連して犯罪に問われる状況を確認しましょう。

返済の意思がないのに借り入れをすることは詐欺罪

まず、最初から返済の意志がないのに借り入れをすることは、詐欺罪(刑法246条)に該当します。
債務整理をする際に、借入直後に1回も返済をせずに債務整理をするような場合貸金業者から詐欺ではないかと指摘されることがあるので注意が必要です。

借り入れの際に虚偽の情報によって借り入れをするのも詐欺罪

借り入れの際に、虚偽の情報によって借り入れをする行為も詐欺罪に該当しえます。
借り入れをする場合に、審査をするために様々な事項を記載して申告しますが、これらの内容を偽らないようにしましょう。

他人名義を使うために文書を偽造すれば文書偽造罪

例えば、借り入れをする際に、他人名義を使うために、身分証明書を偽造したとします。
このような行為については、文書偽造罪が成立し(公文書偽造 刑法155条 私文書偽造刑法159条)、提示・提出によって行使罪が成立します(偽造公文書行使 刑法158条 偽造私文書行使 刑法161条)。

自己破産・個人再生で財産を隠匿するなどした場合には詐欺破産罪・詐欺再生罪

債務整理の中でも自己破産・個人再生をする際に注意が必要なのが、詐欺破産罪・詐欺再生罪です。

例えば、自己破産や個人再生の申立てをする際に、財産を隠匿するなどした場合には、破産法・民事再生法で詐欺破産罪に該当しえます。(破産法265条:詐欺破産罪 民事再生法255条)。
また、他の債権者を害する目的で義務のない偏頗弁済を行った場合も、同様に犯罪となりえますので(特定の債権者に対する担保の供与等の罪:破産法266条・民事再生法256条)、注意が必要です。

犯罪に問われずに済んだ場合でも、免責不許可事由に問われることになって、債務の免責がされない・同時廃止の利用ができず管財人への費用の支払いが必要になる、などで不利益を被ることになります。
自己破産・個人再生をする場合には必ず弁護士と相談しながら行なうようにしましょう。

まとめ

このページでは、借金が返済できなくなった場合に罪に問われるのか、借金に関する犯罪についてお伝えしました。
借金返済ができなくなったからといって犯罪になるわけではないのですが、特に自己破産・個人再生をする際に、誤ったことをすることによって犯罪が成立する場合があります。
債務整理をする際には、早めに弁護士に相談して、適切な行動をするようにしましょう。