- 親権者変更調停・親権者変更審判によって親権の変更が可能
- 親権の変更をすることができる場合
- 親権者変更調停・親権者変更審判は弁護士に依頼すべきか
【Cross Talk 】親権を取り戻したいのですが可能ですか?
1年前に夫と離婚しました。離婚当初子どもを連れて生活できるか不安であり、やむなく子どもの親権を夫としたのですが、話によれば子どもが放置されているようできちんと養育されていない状況です。私の生活も落ち着いてきて仕事も始めたので、子どもを引き取りたいのですが、親権者の変更はできないのでしょうか?
親権者変更調停・親権者変更審判によって親権者を変更することが可能です。
そうなんですね。手続きについて教えてもらっていいですか?
子どものいる夫婦が離婚する場合、子どもの親権は夫婦のどちらか一方に決められます。しかし、離婚後に子どもの養育ができなくなる・子どもの養育に適した状態ではなくなることがあります。
このような場合に親権者変更調停・親権者変更審判によって親権者を変更することが可能です。離婚により親権を失った場合、離婚後に親権を取り戻す方法について確認しましょう。
離婚後に親権の変更は可能か
- 親権者変更調停・親権者変更審判によって親権者の変更が可能
- 親権変更が認められる場合
離婚後に親権者の変更はできますか?
親権者変更調停・親権者変更審判によって親権者の変更が可能です。ただし、親権者の変更は親権者の変更が必要であると判断される場合に認められます。
親権者は、親権者変更調停・親権者変更審判によって変更が可能です。
離婚後には親権者変更調停・親権者変更審判によって親権の変更が可能
子どもがいる夫婦が離婚をする場合、子どもの親権は夫婦の一方が持ちます。
しかし、離婚後に親権者が適切に親権を行使できなくなる場合もあります。
このような場合には親権者を変更することも検討すべきです。
ただ、子どもの親権は子どもが健全に育つために行使されるべきで、父母の意向だけで決めるべきではありません。
そのため、父母の協議だけで親権者の変更をすることはできず、親権者変更調停・親権者変更審判という家庭裁判所が関与する手続きによって行われます。
親権者を変更することが可能な場合
親権者を変更することは子どもに大きな影響を与えます。そのため、親権者を変更する必要があると判断できる場合にのみ親権者の変更が認められます。
親権者を変更する必要があると判断できる代表例として次のようなものが挙げられます。
子どもが虐待を受けている
親権者の変更が認められる典型的な例としては、子どもが虐待を受けているような場合です。
親権者となった親や、その親が再婚をした相手から虐待を受けているような場合には、子どもの健全な成長に不適切です。
そのため、親権者の変更が認められる可能性が高いです。
親権者が子どもを監護できない(死亡・病気・行方不明)
親権者が死亡した・病気である・行方不明であるような場合、子どもの監護をきちんと行えない状況であることが多いでしょう。
親権者が子どもを監護できない状況になっている場合には、親権者の変更が認められる可能性が高いです。
離婚後の状況変化
その他、離婚後の状況変化によって、他方の親が親権者となるほうが適切である場合には、親権者の変更が認められやすいです。
例えば離婚時には、子どもの養育のため家族の協力が得られる見込みがあっても、離婚後には家族の協力が得られなくなってしまった場合もあるでしょう。
また、子どもの親権を得られなかった方の親が、収入が改善する・病気が治ったなどで養育に適切な状況になる場合もあるでしょう。
離婚後の総合的な状況の変化を鑑みて、他方の親が親権者となるほうが適切であると判断された場合には、親権者の変更が認められます。
親権者変更調停・親権者変更審判を利用する
- 親権者変更調停の概要
- 親権者変更審判の概要
親権者変更調停・親権者変更審判の概要を教えてください。
それぞれの手続の概要を確認しましょう。
親権者の変更をするための、親権者変更調停・親権者変更審判について確認しましょう。
親権者変更調停を申立てる
親権者変更調停を申立てます。
調停とは、裁判所で行う紛争解決手続きの一つ
で、裁判官1名と民間人から選ばれる調停委員2名からなる調停委員会が当事者の意見を聞きながら合意を目指す手続きです。
親権者を変更すべきという意見で合意ができれば、調停が成立し親権者が変更されます。
親権者の変更は調停成立後10日以内に市区町村役場に届け出ます。
不調となった場合には親権者変更審判を利用する
調停で合意できないことを「不調」といいます。
合意ができず不調となった場合には、親権者変更審判に移行することになります。
審判とは、裁判官が当事者の主張や立証に基づいて判断する手続きであり、裁判所が審判という判断方式で結論づけます。
親権者の変更の審判が下されたときも、審判確定後10日以内に市区町村役場に届け出ます。
親権者変更調停・親権者変更審判を弁護士に依頼した方が良い場合
- 親権者変更調停・親権者変更審判を弁護士に依頼した方が良い場合
親権者変更調停・親権者変更審判は弁護士に依頼したほうが良いのでしょうか。
いくつか弁護士に依頼したほうがいい場合があるので確認しましょう。
親権者変更調停・親権者変更審判を弁護士に依頼した方が良い場合には次のようなものがあります。
相手と親権者の変更について合意ができない場合
相手と親権者の変更について合意ができない場合には、弁護士に依頼をすべきです。
親権者の変更について合意ができていない場合には親権者変更調停・親権者変更審判において調停委員・裁判官・裁判所所にきちんと親権者の変更が必要であることを、適切に主張・立証をしなければなりません。
どのような事情の主張をして、それを裏付ける証拠をどう収集するかなどについては、手続きについて詳しい弁護士に依頼することが望ましいでしょう。
親権者変更を裁判所に認めさせることができるか不明である場合
親権者変更を裁判所に認めさせることができるか不明である場合には、弁護士に依頼すべきです。
虐待されており、その証拠もしっかり掴んでいるような場合には、裁判所も明らかに親権者の変更を認めるのが適切であると判断できるでしょう。
しかし、親権者変更を裁判所に認めさせる状況にあるか判断ができないような場合には、適切に主張立証を重ねる必要があるため、弁護士に依頼することが望ましいでしょう。
手続きを任せたい場合
調停・審判ともに、書類を作成して証拠を揃えるなど、手続きが厳格で面倒であるといえます。
弁護士に依頼すれば書類の作成や証拠の収集、調停・審判で当事者として出頭する必要がないときには任せることが可能です。
そのため、手続きを任せたい場合
には、弁護士に依頼するのが良いでしょう。
まとめ
このページでは、親権者の変更をするための親権者変更調停・親権者変更審判についてお伝えしました。
離婚後も親権者の変更の必要性がある場合において、親権者変更調停・親権者変更審判を申し立てることで、親権者の変更が可能です。
親権者の変更が認められるか不明な場合には、まずは弁護士に相談してみてください。