- 浮気をされたときに離婚ができる法的な根拠
- 浮気をされた人が離婚をする場合に決めなければいけないこと
- 浮気をされた人が離婚をする場合の注意点
【Cross Talk 】浮気をされた人が離婚をするには?
夫が浮気をしています。離婚をしたいのですが、どのようなことを知っておくべきでしょうか?
法律の基本の部分もそうですが、証拠が必要であること・離婚後の生活なども一緒に知っておいてほしいです。
なるほど、詳しくお話を聞かせてもらえませんか?
浮気をされた人が離婚をしたいと考えた場合に、離婚に関する知識を身に付けておく必要があります。離婚に関する法律知識はもちろんですが、離婚の交渉・裁判を有利にすすめるための証拠や、強制執行のための財産を調べること、離婚後の生活について考えておくことなども重要です。
このページでは、離婚に関する法律知識や、その他注意すべきことについてお伝えいたします。
浮気をされた人が離婚をするために知っておくべきこととは?
- 浮気をされたときに離婚できる根拠
- 浮気をされて離婚する際に決めるべきこと
浮気をされた人が離婚をするために知っておくべき法律的な知識にはどのようなものがありますか?
浮気をされたときに離婚できるとする根拠と、離婚する際に決めるべきことを確認しておきましょう。
浮気をされた人が離婚をするために知っておくべきことを確認しましょう。
浮気をされたことを理由に離婚できる根拠は?
そもそも、浮気をした場合に離婚が認められる法的根拠について説明します。民法上は、下記のように、「配偶者に不貞な行為」があった場合に、離婚ができる旨記載しています。
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
不貞行為とは、一般的には、配偶者以外の者と肉体関係を持つことをいいます。
浮気の意味は多義的ですが、肉体関係を持つような浮気であれば、不貞行為に該当し、離婚を請求することができます。
浮気をされて離婚する場合に決めるべきこと
浮気をされて離婚する場合に、離婚と同時に決めなければならないことには次のようなものがあります。
・親権
・養育費
・面会交流
浮気をされた方としては慰謝料を請求することができ、これは財産分与とは別に請求できるものです。
慰謝料は、浮気の内容や婚姻期間の長短等によって変わります。100万円前後の慰謝料になることもあれば、悪質な場合には300万円程度の慰謝料になることもあります。。
次のような事情があると、精神的苦痛が高いと認定され、慰謝料の金額が上がります。
- 夫のほうから浮気相手に接近した
- 長期間浮気をしていた
- 夫婦間に子どもがいる
- 浮気相手が妊娠をした
- 浮気されたことが原因で精神疾患などにかかった
- 妊娠中に浮気をされた
なお、親権については、「どちらの親と暮らすのが子の福祉のために良いか」という点から判断されるので、浮気をしたという事実は直接影響しません。
浮気をした方から離婚を請求することは可能か?
離婚原因となるような行為をした夫婦の一方のことを、有責配偶者(ゆうせきはいぐうしゃ)と呼びます。
浮気の場合には浮気をした方が有責配偶者となります。
浮気をした方からの離婚裁判の請求については、あまりにも身勝手であるため、基本的には認められません。
ただし、
- 既に夫婦としての関係が破綻している
- 未成熟の子どもがいない
- 離婚によって配偶者が過酷な状況におかれない
という場合には、有責配偶者側からの離婚請求も認められるとしています(最高裁判決昭和62年9月2日)。
浮気をされた人が離婚をする場合の注意点
- 浮気をされた人が離婚をする場合の注意点
浮気をされた側が離婚をする場合の注意点には、どのようなものがありますか?
証拠をしっかり集めることや、相手の財産を把握することなどで、離婚を不利にしないように注意すべきですね。また、離婚後の生活についてもしっかり準備をしましょう。
浮気をされた人が離婚をする場合には、どのような注意が必要でしょうか。
浮気の証拠をしっかり集めること
離婚に向けての行動で最も重要なのは、浮気の証拠をしっかり集めることです。
浮気をされたこと、またその浮気の期間や頻度・態様がどのようなものであったかは、最終的には裁判で証明する必要があります。
証拠がしっかり集まっていると、離婚や慰謝料請求について交渉段階から有利にすすめることが可能です。
相手を問い詰める・別居する、などにより、浮気の証拠を隠される可能性が高いので、浮気の証拠はなるべく早い段階から証拠を集めましょう。
相手の財産を把握すること
相手の財産をしっかり把握しておきましょう。
離婚の交渉をする場合に、財産分与の請求をするなどで、相手が預貯金として一人で持っている場合にしっかり把握しておかなければなりません。
また、離婚後にお金を払わない場合には、相手の財産に強制執行をしなければなりませんが、相手の財産を把握していなければ財産を調査する必要があります。
そのため、まずは相手の財産をしっかり把握しておくことが必要です。
離婚後の生活までじっくり見据えて準備すること
離婚後の生活までじっくり見据えて準備をしましょう。
浮気をされたような場合には、感情的になってしまうこともあるかもしれません。
しかし、結婚後に仕事をやめたような場合に、離婚をしても従来どおりの収入をすぐに得るのは難しいです。
また、子どもが幼い間は、十分な働き先を見つけるのが難しく、養育費の支払いに依存して支払いを止められると、生活に非常に困るということも珍しくありません。
離婚後に、住む場所をどうするか、仕事をどうするか、子どもがいる場合には子どもの養育をどうするか、などをじっくり見据えて、事前にできるだけ準備をしておくことが重要です。
まとめ
このページでは、浮気をされて離婚をする場合に知っておくべきことについてお伝えしました。
離婚をする場合には、慰謝料など決めなければならないことがあり、証拠を集める・財産を把握するなど注意点もたくさんがあることがおわかりいただけたかと思います。
離婚後の生活をスムーズに送れるように、不明な点は弁護士に相談しながら離婚についての行動をすすめてください。