離婚が大変だと言われている理由とは?
ざっくりポイント
  • 離婚が大変だと言われている理由とは?
  • 離婚をスムーズに行うための対処法は?
  • 離婚問題は弁護士に相談するのがおすすめ

目次

【Cross Talk 】離婚が大変だと言われているのはどうしてですか?

夫と離婚しようと考えていますが、離婚が大変だと言われているのはなぜでしょうか?

離婚が大変だと言われているのには、4つの理由が考えられます。

どのような理由でしょうか。詳しく教えてください。

離婚が大変と言われているのには4つの理由がある

離婚は双方が合意した上であれば、離婚届を記入して離婚することができます・しかし、どちらかが離婚をしたくなかったり、離婚条件の合意に至らなかったりする場合、離婚は大変になってしまう場合があります。このような離婚をスムーズに進めるためにできる対処法にはどのようなものがあるのでしょうか。
この記事では、離婚が大変な理由と、スムーズに離婚するための対処法について解説していきます。

離婚が大変だと言われている4つの理由

知っておきたい離婚のポイント
  • 離婚が大変な4つの理由とは?

離婚が大変だと言われるのはなぜでしょうか。

離婚が大変だと言われているのには、4つの理由が考えられます。

離婚成立までに時間がかかるから

離婚するのが大変だと言われる理由の1つとして、離婚成立までに時間がかかることが挙げられます。
離婚を思い至るまでには様々な苦労や我慢、精神的・肉体的な苦痛を伴うことが多いでしょう。しかし、離婚を決意したからと言ってすぐに離婚が成立するわけではありません。夫婦で必要な取り決めや準備をしたうえで適切な手続きを踏みながら進めることになります。

ご自身が離婚を決意したからといって、相手方の配偶者がすんなり離婚に合意してくれるとは限りません。まずはお互いに十分に話し合って婚姻関係を終了させるかどうかを決めることになります(協議離婚)。

仮に、相手方が離婚を拒否する場合や、そもそも話し合いに応じない場合には、家庭裁判所の調停手続きを利用する必要があります(離婚調停)。

調停手続きでは、家庭裁判所の裁判官と調停委員2名以上で構成される調停委員会が、当事者の間に入って事情や双方の言い分を聴き取り合意の道を探ることになります。調停の期日は基本的に1か月に1回程度開かれ、必要に応じて複数回の期日を経ることになります。調停離婚ができる場合にも数か月程度の時間がかかることになります。

さらに、調停手続きによっても離婚することができない場合には、訴訟を提起して離婚を請求していく必要があります(裁判離婚)。
裁判離婚をするためには、民法で規定されている法定離婚事由に該当していることを原告が主張・立証していく必要があります。そのため、証拠に基づいて説得的な主張を行う必要があります。裁判になった場合には、原告と被告が主張反論を繰り返し、双方の立証が尽くされた段階で最終的には裁判所が判決の形で離婚の可否を判断することになります。

訴訟手続きについては、他の手続きよりも厳格に行われ、1か月に1回程度の口頭弁論期日・弁論準備期日が開催され、両当事者によって主張の応酬が繰り広げられることもあります。したがって、裁判離婚が成立するまでには、提訴から短くても半年、長ければ1年以上時間がかかる可能性もあります。

このように離婚するまでに長い時間を要することが、離婚が大変だと言われる所以です。

離婚時に決めるべきことが多いから

また、離婚する場合には、夫婦間で取り決めておかなければならない事項が多いということも、離婚が大変な理由です。

離婚する際に夫婦が取り決めておかなければならないことは、以下のような事項です。夫婦双方が離婚すること自体には合意していたとしてもこれらの事項が決まらなければ離婚手続きが大変になってしまいます。

・親権者の指定
・面会交流に関する事項
・(離婚前)婚姻費用の分担請求
・(離婚後)養育費の支払請求
・財産分与
・年金分割
・慰謝料

夫婦が離婚する際に未成年の子どもがいる場合には、「子を監護すべき者(親権者)」を指定する必要があります。そのため、夫婦は話し合ってどちらを子どもの親権者とするのかを決定しなければなりません。
また、子どもと離れて暮らす親(非監護親)が子どもに会うことを求めている場合には面会交流についても取り決めを行う必要があります。
具体的には、面会交流の回数や曜日・時間、親権者との連絡方法・子どもの引き渡し方法、第三者の立会いの可否などについて取り決めておくことになります。

「婚姻費用」とは、夫婦と未成熟の子どもが日常生活を送るために必要となる衣食住の費用や養育費・教育費、医療費などの必要経費のことを指します。このような婚姻費用については、夫婦が離婚するまではお互いに分担して負担する義務があります。したがって、一般的に収入の少ない方の配偶者は多い方の配偶者に対して婚姻費用の分担を請求することができます。このような婚姻費用を受け取るためには、別居してから離婚するまでに未払分を請求しておく必要があります。

また、夫婦が離婚して以降は、非監護親であっても未成熟の子どもにかかる養育費を負担する義務があります。そのため、子どもと同居して生活することになる親権者は、非監護親に対して養育費の支払いを請求することができます。離婚する際に、養育費の金額・支払期間・支払期限・支払方法などについて夫婦間で取り交わしておく必要があります。

「財産分与」とは、離婚時に夫婦の共有財産を実質的に公平になるように清算することです。原則として婚姻期間中に獲得された夫婦共有財産については、2分の1の割合で分けることになります。財産分与請求は離婚から2年で時効になるため、できるだけ早く取り決めておく必要があります。
また、「年金分割」とは、夫婦であった期間中の保険料納付額に対応する厚生年金を分割して、それぞれ自分の年金とすることができる制度です。離婚する際に年金分割をしておくことで、結婚していた期間について、厚生年金の支給額の計算のもとになる報酬額(標準報酬)の記録が分割されることになります。

さらに、離婚する際、離婚の原因を作った側の配偶者に対して慰謝料を請求できることがあります。不貞行為やDV・モラハラなどの被害を受けた配偶者は、精神的な苦痛を受けたことを理由としてその賠償を請求することができます。慰謝料についても時効があるため、離婚する際に一緒に取り決めておくことが重要でしょう。

以上説明したように、離婚の際には取り決めておくべき事項が沢山あることも、離婚が大変だと言われる理由の1つです。

子どもへの影響が心配だから

離婚の影響は夫婦だけに及ぶわけではありません。父母の離婚は子ども精神や発育に大きな影響を与える可能性もあります。父母が離婚した場合には、非監護親とは離れて暮らすことになります。シングルペアレントになったことで経済的に困窮して、子どもに満足な生活をさせてやれなくなる可能性もあります。
また、両親の精神的なダメージを子どもが敏感に察知していることもあります。父母と一緒に暮らせなくなったことや、生活環境が変わってしまったことで、精神的に不安定になる場合もあります。

このような子どもへの悪影響を心配して、離婚に踏み出すことをためらってしまう親もいます。

離婚後の生活が不安だから

離婚が成立すると、再婚しない限りは、独立して生計を立てていく必要があり専業主婦/主夫だった方は、仕事を探して収入を得なければなりません。
早く離婚して自由な人生を取り戻したいと願う一方で、離婚後の生活に経済的な不安を感じる方は非常に多くいます。離婚時に合意していた養育費の支払いが滞り生活が困窮してしまうでしょう。
とりわけ我が国のひとり親世帯の貧困率は高く、経済的に困窮するよりは我慢して夫婦関係を続けた方がマシだという選択肢をとる方も少なくありません。

スムーズに離婚する対処法

知っておきたい離婚のポイント
  • スムーズに離婚するための3つの対処法

スムーズに離婚をするためには、どうすれば良いのでしょうか。

スムーズに離婚するためには、次の3つの対処法が考えられます。

住居・仕事を確保しておく

スムーズに離婚をするためには、相手方配偶者に依存せずに、自立して生活できることが重要となります。
まずは別居して生活することを検討してください。
スムーズに離婚を進めるためには、離婚後の生活の拠点と、経済的な基盤を確保しておく必要があります。配偶者と別居して生活していたとしても離婚までは婚姻費用の分担請求をすることができます。
そのため、離婚する前に離婚後に住む住居と、仕事を確保しておくようにしておきましょう。

財産分与・養育費などの取り決めをしておく

離婚の際に相手に請求できる金銭については、しっかりと受け取っておくことが重要です。
前述のように、離婚の際には、「財産分与」、「養育費」、「慰謝料」などを請求することができます。
これらの金銭を適切に請求したうえで離婚をすることで、その後の生活保障として機能する可能性があります。
特に、慰謝料や財産分与については時効期間が短いため、権利が失われてしまう前に適切に請求しておくことが大切です。また、相手方の支払いが遅れた場合には、相手の財産を差し押さえる強制執行ができるように公正証書などを作成しておくことも有効でしょう。公正証書の作成方法などについては弁護士に相談するようにしてください。

弁護士に依頼する

スムーズに離婚をすすめるためには、離婚事件の解決実績が豊富な弁護士に相談するようにしましょう。
弁護士に依頼すれば、必要な書類の収集・作成や、相手との話し合いなどについてはすべて任せておくことができます。
離婚調停や離婚訴訟など裁判手続きに発展した場合であっても、引き続き対応を依頼することができます。離婚事件に詳しい弁護士であれば、豊富な知識と経験で、適切な金額を請求してもらうことができるため、スムーズに離婚手続きを進められる可能性があります。

まとめ

以上この記事では、離婚が大変だと言われている理由や、離婚をスムーズに進めるための対処法などについて解説していきます。
離婚をしようか悩んでいる方や、離婚が大変だと感じて困っている方は、ぜひ当事務所の弁護士に一度ご相談ください。
当事務所には、離婚問題の解決実績が豊富な弁護士が在籍しておりますので、適切なアドバイスや法的サポートをご提供いたします。