社内不倫がばれた ときの対処法やリスクについて解説いたします。
ざっくりポイント
  • 社内不倫で性的な関係を持った場合は、不貞行為として離婚訴訟・慰謝料請求をされ得る
  • 会社内でばれてしまった際には信用を失う、慰謝料請求、懲戒処分のリスクが生じる
  • 配偶者にばれてしまったときにはすぐ不倫関係を清算し、2人で話し合う

目次

【Cross Talk 】社内不倫がばれた!どうすれば良い?

部下の女性とホテルに入ったところを同期に見られてしまったようで、連絡が来ました。どうすれば良いのでしょうか?

まずは部下と不倫関係を清算し、連絡を取るのを止めましょう。社内不倫は信用を失い慰謝料請求や懲戒処分などのリスクがありますので、早めに対処することが重要です。

詳しく教えてください!

社内不倫のリスクやばれたときの対処法を解説していきます。

同じ会社内で既婚者と関係を持つ、もしくは自身が既婚者で社内の人間と関係を持ってしまった場合は社内不倫として懲戒処分や慰謝料請求などのリスクが生じます。
私的な行為ではありますが、会社員として仕事面でも信用を失う、キャリアアップが難しくなるといった可能性もあります。同僚など同じ会社の社員もしくは配偶者に不倫がばれてしまった場合、一体どうすれば良いのでしょうか?
今回は社内不倫のリスクやばれたときの対処法を解説していきます。

社内不倫のリスクとは?民法の不貞行為に該当する?

知っておきたい離婚のポイント
  • 社内不倫をすることで、慰謝料請求・懲戒処分などのリスクが生じ社内での信用を失うことも
  • 性的な関係を持った場合は不貞行為となり、離婚訴訟が可能になる

人によって線引きが違うと思いますが、法律ではどこからが不貞行為になるのでしょうか?キスをしても不倫になりますか?

いいえ。キスだけでは不貞行為とは言い難い場合が多いですがケースバイケースです。一般的には、肉体関係を持つと民法では「不貞行為」とみなされ離婚訴訟を起こされる可能性が高くなります。

社内不倫をすることで、信頼を失う、慰謝料請求・懲戒処分などのリスクが生じる

社内不倫とは同じ会社の社員と不倫をすることです。
なお民法で「不貞行為」と呼ばれるものは、自身の意思で配偶者以外の人と肉体関係を持つことを指します。
キスやハグをする、手をつなぐといった行動にとどまる場合は通常不貞行為には該当しません。

会社は連絡や相談、飲み会などの機会があり、男女間で接点を持ちやすい場所といえるでしょう。

近年マッチングアプリやSNS、オンラインゲームなどが不倫のきっかけとなることもありますが、社内は上司と部下、同僚や同期など一日の多くの時間を過ごすことになりますので親しくなりやすい傾向があります。

社内不倫に発展してしまうと、会社内の信頼を失う、懲戒処分を受ける、自身の配偶者や不倫相手の配偶者から慰謝料を請求されるなどのリスクが生じてしまいます。

社内不倫は私的な行為なので解雇されるリスクは低いかもしれませんが、可能性はゼロではありません。
今後のキャリアに支障をきたす可能性もあります。
いずれにせよ不利な立場に追いやられてしまいますので、早めに対処しておくことが重要です。

社内不倫は不貞行為として法律上の離婚事由になるのか

「法律上の離婚事由」は、民法770条※1で規定されています。

第770条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

夫婦が結婚すると、同居・協力義務、扶助義務(民法752条)、貞操義務を負います。
正当な理由がないのに同居を拒む、生活費を渡さない、配偶者以外の者と性的関係を持つことなどは認められないのです。なお双方が合意している場合はこの限りではありません。

2号の「悪意で遺棄された」とは、生活費を渡さない、家を勝手に出て行くなどの行為により夫婦関係が悪くなると分かっていながら夫婦の同居・協力・扶助義務を果たさないことです。

5号の「婚姻を継続しがたい重要な事由」とはDV・借金・モラハラなどの例が挙げられます。

会社内で不貞行為(自身の意思で配偶者以外と性的な関係を持つ)があると、上記1号の法律上の離婚事由にあたり離婚訴訟を起こすことができます。

不貞行為がきっかけで夫婦関係が破綻した場合には、配偶者に慰謝料も請求できます。ただし、不貞行為の前から夫婦関係が破綻していた場合では慰謝料請求は難しいでしょう。
もちろん不倫相手に対しても不法行為に基づく損害賠償請求として慰謝料請求が可能です。
ただし、配偶者と不倫相手双方に請求し得るとしても、請求金額が二倍になるわけではありません。

社内不倫がばれた際の対処法

知っておきたい離婚のポイント
  • 社内不倫がばれたときには速やかに不倫関係を清算し、連絡を絶つ
  • 社内不倫がばれた際には一般的にどのような処分が下るのか、慰謝料請求が不安など気になる方は弁護士に相談を。

不倫相手が既婚者なのですが、慰謝料を請求される可能性はありますか?

ご相談者さまが、相手が既婚者であることを知っていたもしくは明らかに分かる状況でありながら見落としており時効を迎えていない場合には慰謝料を請求される可能性があります。

不倫関係を清算し、連絡を絶つ

社内不倫が配偶者もしくは社内の人間にばれてしまった際には、不倫関係を清算し不倫相手と連絡を断つことをおすすめいたします。
不倫には上記のように慰謝料請求や懲戒処分などのリスクがあり、不倫がばれた後も関係を続けると慰謝料が増額する可能性もあります。

上司に相談する

社内で同僚などにばれてしまった場合は、直属の上司に相談しましょう。
仕事に支障をきたす可能性がありますので、噂が広まる前に自分から報告すると心象が良くなる可能性があります。

会社内でばれてしまったときは、会社の判断に委ねる

既に会社内でばれ上層部も不倫について把握している場合は、会社の判断に委ねましょう。
社内不倫はプライベートな行為ですが、信頼を失う、人間関係に支障をきたすおそれがあり懲戒処分を受ける可能性もあります。
また、就業規則に社内不倫について書かれている企業もありますので、確認してみましょう。

弁護士に相談する

社内不倫がばれた際には一般的にどのような処分が下るのか、不倫相手や配偶者とどう話し合うべきか、慰謝料を請求され悩んでいる方は弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

弁護士には守秘義務がありますので相談したことが外部に漏れる心配はありません。
法律的な観点からのアドバイスや対処法を教えて貰うことも可能です。

まとめ

社内不倫がばれてしまったときには、まず相手と不倫関係を清算し連絡を絶つことをおすすめいたします。
会社での立場や慰謝料請求など不安なことがある方は、弁護士に相談するという方法があります。
男女問題に詳しい弁護士であれば、実績と経験、法律的な観点から対処法やアドバイスをもらえるでしょう。