面会交流の基本的な考えやルールについて解説いたします。
ざっくりポイント
  • 面会交流は基本的に子どもが成人に達するまで続けられる
  • 基本的に面会交流は拒否できないが、子どもが嫌がる、子どもの利益・福祉に反する行為があったときには取り止めになることがある
  • 元配偶者が自身の都合で拒否する場合には、面会交流調停を申立てることができる

目次

【Cross Talk 】面会交流は何歳までできる?

離婚してから、子どもと別居していますが毎月の面会交流を楽しみにしています。何歳までできるのでしょうか?

明確な規定はありませんが、基本的には子どもが成人に達するまでといわれています。成長と共に子どもの意思も重要となります。

詳しく教えてください!

面会交流に明確な年齢の規定はないが、基本的に子どもが成人に達するまで続けられる

離婚後に離れて暮らす親と子どもが一緒に遊ぶ、会って交流するなどの面会交流には「○歳まで」という明確な規定はありません。ただし、一般的に親権は原則成人に達するまでとされていることから面会交流も子どもが成人するまで続けられると考えられます。

今回は面会交流の基本的な考え方とルール、面会交流について決めておく事柄、子どもや元配偶者が面会交流を拒否したときの対処法を解説していきます。

面会交流は基本的に子どもが成人に達するまで続けられる

知っておきたい離婚のポイント
  • 明確な規定はないが、親権と同じく子どもが成人になるまで面会交流ができるという見方が一般的
  • 面会交流は子どものために行われるものだが、離れて暮らす親にも「面会交流権」がある

離婚予定なのですが、面会交流を取り決めた方が良いでしょうか?

取り決めることをおすすめいたします。面会交流は離れて暮らす親だけではなく、子どものための権利でもあります。条件等を取り決めた際は書面化しておきましょう。

原則子どもが成人になるまで面会交流ができる

離れて暮らす親子の面会交流が「○歳まで」という明確な規定はありませんが、子どもの成年年齢である18歳(2022年4月以降)までと考えられています。
面会交流(親子交流)とは、子どもと離れて暮らす親が子どもと会って話をする、一緒に遊ぶ、電話などで交流することを指し子どもの利益を最優先にします。

子どもが大きくなると子どもの意思を尊重する傾向がありますので、子どもの環境や意思に合わせて対応しましょう。
離婚時に具体的に取り決め、文書化しておくことで後のトラブルを回避しやすくなります。

面会交流の基本的な考え方とルール
面会交流は基本的には子どものためのもので、子どもにとっては離れて暮らす親と会う権利
です。
一方で、子どもの親権が得られなかった親は「面会交流権」
によって子どもと面会交流する権利があります。
子どもの利益を優先しながら面会交流をするためには、両親がお互い面会交流について理解し協力し合うように心がけましょう。

厚生労働省の「2021年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告親子交流(面会交流)の実施状況」によると、離婚時に面会交流を「取り決めをしている」と回答したのは母子世帯の母が30.3 %、父子世帯の父では 31.4 %です。
「面会交流の取り決めをしていない理由」の回答は、母子家庭が「相手と関わり合いたくない(26.4%)」がもっとも多く父子家庭は「取り決めをしなくても交流できる(30.3%)」という結果でした。

他方親による虐待など子どもの利益や福祉に反する行為がある場合は面会交流を拒否できます。他方、そうした問題がない場合、面会交流は子どもにとっての権利でもありますのであらかじめ取り決めておくことをおすすめいたします。
取り決めをしなくて交流ができる場合でも、子どもの成長とともに環境が変わり会える頻度や時間が異なった場合やどちらかが再婚した際にはトラブルになってしまう可能性があります。

離婚前に面会交流について決めておくこと
面会交流について、具体的には以下の事柄を取り決めておくことをおすすめいたします。

イ)頻度・時間
ロ)場所
ハ)連絡方法(電話・SNS・メール・手紙など)
ニ)同居する親の立ち会い
ホ)プレゼントについての取り決め
ヘ)学校行事や誕生日などの面会交流
ト)離れて暮らす親の親(祖父母)に会うかどうか
チ)宿泊を伴う交流など

連絡方法では、両親が連絡を取るのか親子が直接連絡を取るのかを決めておきましょう。
離れて暮らす親との電話や、SNS・メールなどの交流の可否もあらかじめ決定することで後のトラブルが回避できるでしょう。
離れて暮らす親がプレゼントをして良いのか、誕生日や記念日などプレゼントを贈るタイミング、場合によっては金額の上限を話し合っておく必要があります。
旅行や実家に泊まるなど宿泊を伴う交流についても話し合っておきましょう。
取り決めについては、子どもが成長し環境が変わると変更する可能性が生じます。
「○歳になったら面会交流を月1回から年3回にする」「○歳になったら両親が話し合い、取り決めを見直す」などの文章を入れておくことも検討しましょう。

面会交流は子どもが拒否したらどうなる?元配偶者が応じてくれない場合は?

知っておきたい離婚のポイント
  • 子どもが面会交流を嫌がっている場合は中止になる可能性がある
  • 元配偶者が自身の都合で拒否する際には、弁護士を通して話し合うまたは面会交流調停を申立てる

元配偶者に「子どもを面会交流の場所まで送り迎えするのが面倒」という理由で、面会交流を拒否されてしまいました。子どもに会いたいです。

面会交流は、基本的に拒否できません。元配偶者が自身の都合で拒否する場合は弁護士を通じて話し合いをするか、面会交流調停を申立てるという方法があります。

子どもが面会交流に拒否する場合

面会交流は基本的に拒否できませんが、子どもが面会交流を嫌がっている場合は中止になることがあります。
まずは子どもの様子を観察し、両親が話し合うことが重要です。両親の間でトラブルになりそうな際には弁護士など専門家に相談するという方法があります。

元配偶者が面会交流に拒否する場合は面会交流調停を申立てる

離れて暮らす親には面会交流権があり、基本的に面会交流は拒否できないため元配偶者が面会交流を自身の都合で拒否した場合には家庭裁判所で「面会交流調停」を申立てることが考えられます。
両親や子どもと1対1で面接が行われたり、離れて暮らす親と子どもが面会交流をしている様子を調査官が観察するなどの方法で解決に向けた調停が行われます。
調停を申立てる前に、弁護士を代理人とする任意の話し合いで解決できる事例もあります。

面会交流でトラブルが起きたときには弁護士に相談を

元配偶者に面会交流を拒否されたなど、面会交流でトラブルが起きたときには弁護士に相談するという方法があります。
面会交流の際に子どもを虐待する、暴言を吐くなどの行為があれば面会交流はできなくなりますが基本的に面会交流は拒否できません。
離れて暮らす親には面会交流権がありますので、弁護士に相談し法律的な視点からの対処法を聞くことをおすすめいたします。

まとめ

面会交流における子どもの年齢に明確な規定はありませんが、一般的には子どもが成人になるまでと言われています。
元配偶者と話し合い、成人した子どもと定期的に会う事例も存在します。面会交流で分からないことがある方、トラブルが起きた場合には弁護士に相談するという方法があります。