- 離婚の話し合いは基本的に2人で行うが、感情的になってしまう、配偶者がDV・モラハラをする場合などは第三者を同席させた方が良い
- 夫婦のプライバシーが漏れてしまう、より感情的になってしまうおそれがあるなどのデメリットも
【Cross Talk 】離婚の話し合い、第三者を同席させても良いでしょうか?
離婚協議中です。有利に話し合いを進めたいので、私の親を同席させる予定ですが大丈夫でしょうか?
その理由で両親を同席させることはあまりおすすめできません。あなたの味方である両親を交えて交渉すると、相手の反発をまねくおそれがあります。有利に交渉を進めたいのであれば、弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。
詳しく教えてください!
離婚の話し合いで「親や友人など第三者を同席させたい」「2人では冷静な話し合いができなくて、困っている」という方は多いのではないでしょうか。
基本的に離婚は夫婦2人で話し合うことをおすすめします。しかし、配偶者が真剣に話し合いをしてくれない、感情的になってしまい話し合いが進まないなどの場合は、第三者を同席させることでスムーズに協議ができる可能性があります。
今回は離婚の話し合いで第三者を同席させるメリット・デメリット、同席させた方が良い場合、同席させる際の注意点などを解説していきます。
離婚の話し合いは原則2人でするが、第三者を同席させた方が良い場合も
- 離婚の話し合いは原則2人で行い、協議離婚を目指す
- 配偶者が暴力を振るう、口が上手く言いくるめられてしまうなどの場合は第三者を同席させた方が良い
離婚の話をしても、いつもはぐらかされてしまいます。本当に離婚の意思があるので、第三者を同席させても良いでしょうか?
そうですね、相手と話し合いが成立しない場合は第三者を入れることで話し合いを進めやすいことがあります。ただし、人選には注意し事前に打ち合わせをしておきましょう。
離婚の話し合いは基本的に2人で行う
離婚は2人のことについて話し合うため、原則夫婦のみで話し合います。
離婚する場合には、財産分与や親権などについて話し合う必要があります。
双方が合意して離婚届を提出する方法は「協議離婚」と呼ばれ、他の方法と比べ金銭的な負担が少ないといえるでしょう。
協議離婚が成立しない際の選択肢としては、調停・審判による離婚、訴訟による離婚(和解離婚・判決離婚・認諾離婚)などがあります。
調停や訴訟など、裁判所を通して手続きを進める場合には、一般的に時間とお金、労力がかかります。
よって「まずは協議離婚を目指す」ことをおすすめします。
ただし、法定離婚事由があり、相手が離婚を拒否している場合などは、訴訟を起こして離婚することで迅速な解決が期待できます。
法定離婚事由とは、配偶者が「不貞行為をした」「生死が3年以上明らかでない」など民法第770条※1で定められた5つの事由を指します。
離婚の話し合いに第三者を同席させるメリット・デメリット
第三者がいると「他人の目」がありますので、配偶者が暴力を振るう、モラハラをするといった場合には、その行為を抑止できる可能性があります。
また、離婚をしたいと思っていても配偶者に言いくるめられてしまう方は、第三者がいると「離婚の意思があるから話し合いをしてほしい」ということが伝わるかもしれません。
感情的になってしまう、第三者からのアドバイスが欲しいといった場合にも、第三者を同席させることで冷静に話し合うことができ、また、助言をもらえることもあるでしょう。
ただし、近しい関係ではない知人を呼ぶことで、外部に夫婦のプライバシーが漏れてしまうというデメリットが生じることがあります。
弁護士には守秘義務がありますので、情報が漏れるおそれがありません。加えて、法律の専門家からのアドバイスや解決策を聞くことができるため、第三者を同席させるのであれば弁護士に相談することをおすすめします。
話し合いで第三者を同席させた方が良い場合とは
離婚の話し合いに第三者を同席させることは、以下のような場合に有効な手段です。
- 2人きりで話し合うと、配偶者に暴力を振るわれるまたはモラルハラスメントをされる
- 配偶者の口が上手く、自身にとって不利な条件でも言いくるめられてしまう
- 2人では感情的になってしまい、話し合いが進まない
- 第三者からの客観的な意見やアドバイスが欲しい
特に「暴力を振るわれる、モラルハラスメントをされる」という場合は、ボイスレコーダーなどを準備して話し合いに臨むことをおすすめします。
配偶者の行為が、民法第709条の「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」にあたる場合は、慰謝料を請求できます。
離婚の話し合いで同席させる第三者は親・友人・弁護士・・・誰が良い?
- 報酬を受け取り、代理や仲裁などができるのは弁護士だけ
- 親や友人を同席させると逆にこじれてしまうこともある。事前に打ち合わせを
相手と顔を合わせたくありません。代わりに話し合ってもらうことはできますか?
はい。弁護士に依頼した場合、代理で交渉を行います。費用はかかりますが、直接相手と話し合いをしたくない方にはおすすめです。
弁護士に依頼するメリット・デメリット
離婚の交渉を弁護士に依頼することで、以下のメリットが期待できます。
- 1.どちらかが忙しく話し合いができない状況でも話し合える
- 2.交渉の代理を依頼すると、相手と顔を合わせなくて良い
- 3.暴力を振るう、モラハラをする配偶者の抑止力になる
- 4.法的な観点からの対処法やアドバイスをもらえる
- 5.有利に話し合いを進められる可能性がある
弁護士には、代理人として離婚の交渉をしてもらうことが可能です。
弁護士は、報酬を受け取り代理や仲裁などができますが、弁護士資格をもたない方が報酬を得る目的で代理・仲裁などをすることは弁護士法に抵触する恐れがあります。
そのため、1・2のように相手と話し合う時間が無い、顔を合わせたくないといった場合には、弁護士に依頼して、弁護士が代理人として離婚の交渉を行った方が良いでしょう。
また、配偶者がDV・モラハラをするような場合には、離婚の交渉を行う際に弁護士を同席させることで、配偶者の行為をおさえられるかもしれません。もちろん、配偶者と同席することが怖いといったような場合には、弁護士に代理で交渉をしてもらえます。
弁護士は法律の専門家ですので、夫婦間のトラブルについて法的な観点からの対処法・アドバイスをもらうことができ、有利に話し合いを進められる可能性もあります。
一方で、弁護士に依頼すると費用がかかるというデメリットもあります。
弁護士費用を抑えたい方は、初回相談無料の法律事務所に相談する、法テラスを利用するといったが方法もあります。
親や友人を同席させる場合は事前に打ち合わせを
「話し合いに親や友人を同席させたい」という方もいらっしゃるでしょう。
同席させる親や友人は中立・公平な立場とは言い難く、関係性によっては配偶者に反感を買い、さらに感情的になってしまう可能性があります。
そのため、事前に親や友人と打ち合わせをし、途中で口をはさまないことを約束したり、録音係として呼ぶと相手に説明したりするなど、トラブルに発展しないように気をつけましょう。
第三者を同席させる際の注意点
第三者を同席させて話し合う場所を選ぶときには、ホテルのラウンジやカフェなどのオープンな場であれば、冷静になれることがあります。
また、「プライバシーが気になる」という場合は、公民館やレンタルオフィスの会議室を借りて第三者を同席させるという方法もあります。
まとめ
基本的に離婚の話し合いは夫婦2人で行います。しかし、話し合いが進まない、相手に言いくるめられてしまうといった場合は、第三者を同席させることでスムーズに話し合いができる可能性があります。
弁護士には守秘義務がありますので、プライバシーが漏れる心配はありません。
また、弁護士に依頼することで、財産分与や養育費などの交渉を有利に進められることも期待できます。まずは初回無料の法律事務所で相談してみてはいかがでしょうか。