- 監護権とは
- 監護権と親権の違い
- 離婚の際に監護権を設定する方法
【Cross Talk 】監護権って何ですか?
現在離婚に向けて夫と調整しています。親権について争っており、いろいろと調べていたら親権とは別に「監護権」というものがあるのを知りました。これは何でしょう?
監護権は親権とは別の、子どもと一緒に生活をして教育や世話を行う権利のことをいいます。親権者ではなくても監護権者となることで子どもと住むこともできます。
詳しく教えてください。
離婚をする際に子どもと一緒に住み続けるのに親権を争うことがあるのですが、このときに監護権という権利を目にする方もいらっしゃるのではないでしょうか。監護権とは親権の一つの内容で、子どもと一緒に住んで教育・世話をする権利です。監護権とはどのような権利か、どういう場合に設定するかなどについて確認しましょう。
監護権とは
- 監護権とは親権の中の一つで子どもの教育や世話をする権利
- 親権の変更をするには家庭裁判所の許可が必要
監護権とはどのような権利なのですか?
子どもと一緒に住んで教育・世話をする権利です。
監護権とは、親権の一つの内容で、子どもと一緒に住んで教育・世話をする権利です。
親権との違いについては詳しく後述するとして、監護権者となると、子どもと一緒に暮らすことができるようになります。
監護権者は離婚後に変更することが可能です。
親権者の変更には家庭裁判所の許可が必要で、当事者が合意をしていても家庭裁判所が子どもの利益を考えて許可をするかどうかを決めます。
しかし、監護権者は当事者の合意のみで変更することが可能です。
当事者で合意ができない場合には、調停で変更をすることも可能です。
監護権と親権との違い
- 監護権と親権の違い
- 親権とは別に監護権を設定する場合
監護権と親権はどのように違うのでしょうか。
上述したように監護権は親権の一つの内容です。親権との関係について確認しましょう。
監護権と親権の違いについて詳しく見てみましょう。
親権とは何か
親権とは、子どもの世話をしたり、財産を管理したりすることができる権限のことをいいます。
親権は大きく、財産管理権と身上監護権に分けることができ、ここでわけられた身上監護権こそが、子どもと暮らして世話をしたり教育をしたりすることができるものです。
子どもが未成年者である間は、契約などの法律行為をするにあたって、親権者に同意を得たり、親権者が代理して行ったりすることになります。
この契約の同意や、子どもの財産の管理などの権限が財産管理権です。
監護権と親権を分ける場合は?
監護権と親権を分ける場合としては、
- 親権の問題で争っており落とし所がない
- 一方と一緒に住む場合でも金銭的な管理について不安がある
という場合に利用されます。
親権をはじめとして、離婚における争いは長期化します。
監護権を設定することで落とし所が見える場合に、親権と監護権を分けるという方法が利用されることがあります。
また、夫婦の一方が子どもと一緒に暮らすことが良いような場合でも、金銭管理に問題があるということもあります。
その場合に監護権は与えて親権は他方が持つことで調整することがあります。
監護権と親権を分けるような場合では、監護をしない方の親との間で面会交流についての取り決めをすることが多いです。
監護権を設定する場合の手続き
- まずは当事者の話し合いで決める
- 当事者の話し合いで決まらない場合には調停・審判を利用する
監護権を設定する場合の手続きについて教えてください。
まずは当事者で話し合って決めます。当事者の話し合いで調整がつけば、特に手続きはいりませんが、当事者の話し合いで解決しない場合には調停・審判を利用します。
監護権を設定する場合の手続きを確認しましょう。
離婚の際の当事者の話し合い
まずは離婚の際の当事者の話し合いで決めます。
話し合いで離婚する際には、子どもの親権がどちらにあるのか、離婚届に記載する欄があります。
監護権については、離婚届には記載する欄はありませんが、後に争いにならないように、離婚協議書などで明確に記載しておくべきであるといえます。
調停・裁判
当事者で話し合いがまとまらなければ、裁判所での手続きを行います。
離婚についてはまず調停を行うこととなっているので、離婚調停の中で監護権の設定についても検討を行います。
調停で合意できなかった場合には、離婚裁判の中で決定することになります。
まとめ
このページでは、監護権というのがどのような権利か、親権との違いや決め方などについてお伝えしました。
監護権は親権とは異なる権利で、子どもと一緒に暮らすことができるようになるものです。
離婚の際の交渉がうまくいっていない場合や、子どもと一緒に暮らせるのであれば相手に金銭管理の権限を与えても良いといった場合には、監護権の主張を検討すれば、離婚の話し合いがスムーズに進む場合もあります。
不明点があれば、弁護士に相談するなどして、上手に交渉を進められるようにしましょう。