- 面会交流とは
- 面会交流を拒否できる場合
【Cross Talk 】子どもとの面会交流を拒否したい
離婚をして子を養育しています。離婚時に月に1回のペースで夫と子どもが会う面会交流をすることになった後、拒否したいと思うのですが可能ですか?
面会交流を原則として拒否することはできませんが、一定の状況下では拒絶できる場合があります。
はい。ぜひ相談に乗ってください。
離婚する夫婦に子どもがいる場合、子どもと一緒に暮らさない方の親が、子どもと定期的に会ったり連絡する頻度や方法を面会交流として決定します。離婚した夫婦のような場合、相手に会わせたくないと面会交流を拒否したいと希望する方は多いです。面会交流は原則拒否できませんが、例外的に面会交流を認めることが子の福祉の観点から好ましくない場合には、面会交流を拒否できる場合もあります。
面会交流とは
- 面会交流は離婚時の話し合いや調停・裁判で決められる
面会交流を拒否することはできるのでしょうか?
原則として拒否はできませんが、拒否するのに正当な理由がある場合には例外的に拒絶できます。
面会交流とは、別居中・離婚後に子どもと別居することになった親が、その子と会ったり連絡をとったりすることをいいます。
離婚をする際には、一方を親権者と定めて、親権者が子どもと一緒に暮らすことになります(監護権を定めた場合には監護権者と暮らします)。
離婚後に夫婦が別居する際に、子どもと連絡をとったり会ったりするのに、一定のルールを定めることになります。
面会交流についてはどのようにして決定されるか
面会交流の内容について法律でこうする、と規定されているものではありません。
そこで、離婚時に当事者の協議で決定します。
協議が調わないときには、離婚調停や離婚裁判の中で面会交流も決定します。
既に離婚をしている場合には、面会交流調停・面会交流審判で決定することになります。
面会交流を拒否した場合のリスク
例えば、夫が浮気・不倫をした結果離婚に至った場合、子どもを預かった妻としては相手に子どもに会わせたくない、と考えるのも無理はありません。
しかし、面会交流を拒否した場合には、裁判所によって金銭の支払いを命じて面会交流を実現しようとする「間接強制」という方法がとられます。例えば、「面会交流の拒否1回につき5万円を支払え」と命じられます。
また、夫から精神的苦痛を受けたと慰謝料請求をされる可能性もあります。
さらには、夫から親権者変更を求めて調停・審判を起こされることも否定できません。
とはいえ、後述するように、面会交流をすることが子どもの福祉の観点から好ましくない場合には、面会交流も拒否することが可能です。
面会交流の拒否と養育費の関係
なお、面会交流を拒否したことで、養育費を支払わないという対抗手段に出る夫も多いです。
しかし、面会交流と養育費は、対価の関係にないので、面会交流を拒否されたからといって、養育費の支払い義務を免れるわけではありません(後述する正当な理由がある場合も含む)。
面会交流を拒否できる場合がある
- 面会交流は子どもの福祉の観点から拒否できる場合がある
- 面会交流を拒否する場合には弁護士に相談を
なるほど、面会交流を拒否できる場合にはどのようなものがあるのでしょうか。
子どもを虐待するような場合や子どもが拒んでいる場合など、典型的なものを確認しましょう。
面会交流を拒否できる場合にはどのようなものがあるのでしょうか。
子どもを虐待する・過去に虐待をしていた場合
子どもを虐待するような場合には、当然ながら面会交流を拒否できます。
過去に虐待をしていた場合、その虐待によって精神的なダメージが現在も残っているような場合には拒否することが可能です。
子どもを連れ去るおそれが高い場合
子どもを連れ去るおそれが高い場合には面会交流を拒否することが可能です。
法律では基本的に今の生活環境から引き離すこと自体が子の福祉の観点から好ましくないと考えられています。
一定以上の年齢の子どもが会うのを拒否している
一定以上の年齢の子どもが会うのを拒否している場合にも、面会交流を拒否できる場合があります。
子の福祉の観点からすれば、子どもが会うのを拒否している以上、子どもにこれを強いるのは、子の福祉の観点からも好ましくありません。
年齢についての決まりはなく、概ね10歳くらいであればその意思は尊重されるとされていますが、もっと幼くても拒否をする意思表示がはっきりしている場合には判断材料とされます。
その他
以上のような場合が典型例ですが、子の福祉の観点から好ましくない場合には面会交流は拒否できます。
例えば、
・子どもを利用して相手にお金をせびる
・精神疾患で子どもとの交流が不適切な状態である
などが挙げられます。
拒否する場合には弁護士に依頼を
面会交流を拒否する場合には弁護士に相談・依頼することをおすすめします。
これは、子の福祉の観点という判断基準が曖昧であることに加え、面会交流を拒否する場合には相手が逆上することも多く、離婚した夫婦で話し合いを続けるのは難しいという理由からです。
まとめ
このページでは、面会交流を拒否することができるかについてお伝えしました。
子の福祉の観点から望ましくない場合には面会交流を拒否することもできますが、基準が不明確であり、かつ、当事者で話し合うと感情的になりがちなものです。
面会交流を拒否する場合には、弁護士に相談・依頼することが望ましいといえます。