離婚の相談先・それぞれのメリット・デメリットについて解説いたします。
ざっくりポイント
  • 相談前に自分の気持ちを整理し、法律面の相談をしたい方は弁護士に相談する
  • 役所の無料相談は時間と回数が決まっているため、じっくり相談したい方は法律事務所の初回無料相談の利用を検討
  • 慰謝料を請求したい、話し合いたくない、忙しく話し合う時間がない場合などでは弁護士に相談を

目次

【Cross Talk 】離婚問題、誰に相談すれば良いのでしょうか?

離婚することになりました。特に経済面が不安ですが、周りに相談しづらくて困っています。誰に相談すれば良いでしょうか?

まずご自身の悩みを整理してみましょう。不安な気持ちを聞いてほしいといった場合は身内や友人に、財産分与や養育費・慰謝料など具体的な法律相談をしたいときには弁護士に相談することをおすすめいたします。

詳しく教えてください。

離婚相談は誰にすべき?適切な相談先の見つけ方とは

離婚時に悩みや不安を抱える方は多いですが、「友人・知人には言いづらい」「誰に相談したら良いのか分からない」という場合があります。
まずは自分の中で悩みをカテゴリ別に整理し、手続きや法律面の相談は弁護士に、気持ちの面での相談は身内などに相談すると良いでしょう。メールやLINEで相談を受け付けている機関などもあります。
慰謝料を請求したい、配偶者と顔を合わせたくない、調停や訴訟に発展する可能性がある場合などでは、最初から弁護士に相談した方が良いかもしれません。

離婚の相談、誰にすれば良いの?相談先のメリット・デメリット

知っておきたい離婚のポイント
  • 精神面での相談は身近な人に相談し、法律・手続きは弁護士に相談を
  • 弁護士に相談する方法は、法テラス・役所の法律相談・法律事務所で相談の3つ

配偶者のモラハラがどうしても許せず、慰謝料を請求したいです。誰に相談すれば良いでしょうか?

慰謝料請求の相談先は弁護士です。法テラス・役所の法律相談・法律事務所の3つの相談先があります。

離婚相談をする前に、自分の悩みを整理しておくことが重要

まずは誰かに離婚の相談をする前に、自分の悩みを整理
しておきましょう。
一口に離婚といっても「配偶者の不貞行為が発覚してどうしたら良いか分からない」という場合や「もう離婚することは決まっていて、財産分与で揉めている」など人によって悩みは様々でしょう。

例えば「動揺しているから誰かに話を聞いてほしい」「頭の中でなんとなく結論は出ているから誰かに背中を押してほしい」という場合は友人や家族に、「慰謝料や養育費の相場を知りたい」「離婚調停の手続きを知りたい」など法律面で相談がある方は弁護士に相談すると良いでしょう。

まずは、現在の悩みを「自分の気持ち」「手続き」「法律面」といったカテゴリに分けておきましょう。
手続きや法律面は弁護士に、自分の気持ちに関しては身近な人に相談することでスムーズな解決が期待できます。

身内や友人・知人

身内や友人・知人は気軽に相談できる、親身になってくれる場合が多いでしょう。
よって「とりあえず誰かに話を聞いてもらいたい」「気持ちの整理がつかない」といった際には、相談することで気持ちが落ちつき冷静に判断できるようになることがあるかもしれません。
現在の悩みが「自分の気持ち」であるときには、身内や友人に相談することで解決できることがあります。

ただし、親など近しい関係の方は感情的になってしまい冷静に判断できない可能性があります。

友人・知人は関係性にもよりますが、身内より冷静なアドバイスをもらえることもあるかもしれません。しかし、話す相手によっては周囲に言いふらされてしまうこともあります。特に同僚・先輩・後輩など仕事で関わりのある人には気をつけましょう。

役所の無料法律相談は一般的な回答が得られやすい

地方自治体の役所では行政サービスの一環として弁護士による無料相談を実施
しています。
予約が必要な場合もありますので、お住まいの役所のホームページで確認してみましょう。

役所の無料法律相談では、生活で起こったトラブルに関して弁護士が相談に応じます。
担当の弁護士が離婚に詳しいとは限りませんが、一般的な法律相談が可能で無料という点がメリットです。
身内や友人に相談すると相手を思いやり、感情的になってしまうこともあるかもしれませんが、弁護士は第三者ですので冷静な視点でアドバイスをもらえるでしょう。

役所※1によっては時間が限られている、同じ相談は回数が定められているなどの制約があります。
「もっと弁護士に相談したい」という方は、法テラスや法律相談所を活用しましょう。

法テラスは要件を満たせば相談できる※2

法テラスは無料で1つの問題につき30分程度で3回、弁護士や司法書士に相談ができます。
ただし、無料法律相談を受けることができるのは以下の(1)(3)の条件を満たす方です。

(1) 収入等が一定額以下であること
(2) 勝訴の見込みがないとは言えないこと
(3) 民事法律扶助の趣旨に適すること

出典:日本司法支援センター法テラス

弁護士・司法書士費用などの立て替え制度を利用することができるのは、(1)(2)(3)の全てを満たす必要があります。

法テラスに興味がある方は、まず自分が要件に当てはまるか確認してみましょう。

法律相談所の無料相談を活用する

弁護士が所属する法律相談所の中には「初回相談無料」というところもあります。
法律相談を希望する方は、初回相談無料の事務所を選ぶことで金銭的な負担が軽減できます。
相談業務だけではなく、調停・訴訟に発展する可能性がある場合はそのまま受け付けてもらうことができるというメリットもあります。以下のような場合にも対応が可能です。

  • 法テラスの要件を満たしておらず利用できない
  • 役所の相談では時間が足りなかった、予約が取れなかった
  • 離婚に詳しい弁護士に相談したい
  • 今後、代わりに交渉してもらうことも視野に入れている
  • 書類を作成してほしい

なお弁護士法第72条※3では「報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすること」は弁護士のみができる業務とされています。

仲裁や代理人としての交渉、法律事務は弁護士に依頼しましょう。

窓口へ行くことが難しい場合はメールやLINEで相談を

上記で紹介した窓口に行くことが難しい方には、メールやLINEでの相談に対応している機関・法人などがあります。
例えば配偶者の身体的・精神的な暴力被害に遭っている方は、内閣府の「DV相談プラス※4」で電話・メール・チャットで相談が可能
です。
法律相談所でも、様々な方法で相談を受け付けている法人があります。

東京新宿法律事務所でも、オンライン・電話・出張でのご相談ができます。

弁護士に相談すべき5つの事例とは

知っておきたい離婚のポイント
  • 有利に交渉を進めたい、慰謝料を請求したい、財産分与・親権などで意見が合わないときには弁護士に相談を
  • 顔を合わせたくない場合、話し合う時間がない場合でも代理人として交渉してもらえる

配偶者と話をしたくありません。財産分与・養育費の取り決めはどうすれば良いでしょうか?

弁護士に代理人として交渉してもらうことができます。今後のことを考えると、ちゃんと取り決めをして書面化しておいた方が良いでしょう。

DV・不貞行為などで慰謝料を請求したい

家庭内暴力(DV)や不貞行為は、民法709条の不法行為による損害賠償(慰謝料)を請求できます。
DVは精神的な暴力や経済的な自由を奪うものも含まれます。

一般的な慰謝料の相場は50~300万円ですが、不法行為の程度や内容によって金額が異なります。
慰謝料請求は、調停・訴訟に発展する事例が多い傾向にあります。また、当事者同士が冷静に話し合うことは難しいでしょう。第三者であり法律の専門家・弁護士に代理人として交渉を依頼できます。

調停・訴訟に発展したときにもそのまま受任してもらうことが可能です。

自分で交渉したくないまたは有利に交渉を進めたい

配偶者と顔を合わせたくない、口が上手くやり込められてしまうなど、自身での交渉対応が困難な場合には、弁護士への相談を検討しましょう。代理人として交渉してもらうことが可能です。

財産分与・慰謝料・親権などで意見が合わない

離婚では財産分与・慰謝料・子どもがいる場合は親権・養育費などを取り決める必要があります。
配偶者と意見が合わないときには、調停や裁判に発展する前に弁護士に依頼することで代わりに交渉してもらえます。

多忙で話し合う時間がない

お互いに忙しく時間がないときには、弁護士に間に入ってもらい様々な取り決めをすることができます。

離婚時には住まいや財産分与など取り決めることが多いため、忙しいときには弁護士の力を借りるのも良いでしょう。

調停・訴訟に発展する可能性がある

財産分与や親権などの話し合いがまとまらず、調停・訴訟に発展しそうな場合では、弁護士に相談するとそのまま調停・訴訟を受任する流れになります。

よって調停・訴訟に発展する可能性がある場合は、あらかじめ弁護士に相談しておくことでスムーズに調停・訴訟に移行できるかもしれません。

まとめ

離婚問題の相談先、弁護士に相談した方が良い場合を解説いたしました。
この記事を参考に自分の悩みを整理し、弁護士や周りの人への相談を検討していきましょう。