- 妻の不倫が原因で離婚する場合に知っておくべきこと
- 妻の不倫が原因で離婚に至った場合の離婚手続きを有利に進めるための方法
【Cross Talk 】妻が不倫をした…離婚できますか?
相談があります。妻が不倫をしていることが発覚し、動揺していて今何をすればいいのかよく分かっていません。離婚をすることになると思うのですが、すぐに慰謝料を払うのは金銭的に厳しいです…。
ご相談者様は不倫をされた側なので慰謝料を支払う必要はありません。奥様が不倫をした場合にどのような請求ができるか、離婚する場合の注意点や離婚を有利に進めるための方法を知っておきましょう。
そうなんですね!詳しく教えてください!
妻が不倫をして離婚をすることになる場合に、夫側から離婚を求めることがあります。
よく離婚をする場合には妻が慰謝料を受け取るという先入観を持っている人がいるのですが、慰謝料はそもそも精神的苦痛を慰謝するための損害賠償なので、妻が不倫をしたケースでは慰謝料を支払うべきなのは妻のほうなので、夫が支払う必要は全くありません。
その他、妻が不倫をした際に夫側から何を請求できるか、離婚をする場合の注意点や離婚を有利に進めるための方法について確認しましょう。
妻が不倫をした場合に知っておくべきこと
- 妻が不倫をした場合に何が請求可能か
- 妻が不倫をしたことが原因で離婚する場合の注意点
妻が不倫をした場合には何が主張できてどのような注意点がありますか?
奥様が不倫をした場合に何が請求でき、どのような注意が必要かについて解説しますので、一緒に確認しましょう。
妻が不倫をした場合に知っておくべきことは次のようなことです。
妻の不倫相手に慰謝料請求ができる
妻が不倫をした場合、不倫相手に慰謝料請求が可能です。
妻が不倫をすることによって、夫は精神的苦痛を受けるのが通常です。そして、不倫は妻と不倫相手の二人によって行われる行為であるため、不倫相手に慰謝料請求をすることができます。
慰謝料の額は、
・子供の有無
・不倫の期間・回数・頻度
・不倫によって離婚をすることになったか
・不倫が行われた当時の夫婦の関係性
・どちらから不倫を持ち掛けたか
などの諸事情から判断することになります。
妻の不倫は法定離婚事由にあたる
妻の不倫は法定離婚事由にあたります。
離婚訴訟を相手に対して提起する場合、民法770条1項所定の法定離婚事由があることが必要です。
不倫は民法770条1項1号「配偶者に不貞な行為があったとき」に該当するため、夫は妻に離婚の請求をすることが可能となります。
妻が不倫をして離婚する場合には夫は慰謝料を払わなくても良い
よく離婚をするときに妻はかならず慰謝料を受け取る、という先入観を持っている人がいます。
しかし、慰謝料は精神的苦痛を与えた人に対する損害賠償請求なので、払うのは不倫をして離婚原因を作った妻のほうです。
妻に不倫をされ、離婚をすることになった場合に、妻から慰謝料を払って欲しいといわれて理不尽な思いをする夫もいますが、「慰謝料」に関しては支払う必要はありません。
財産分与・養育費は支払う義務がある
妻が不倫をした場合に慰謝料の支払いは必要ありませんが、財産分与を行い養育費を支払う義務があります。
財産分与は、婚姻期間中に築き上げた夫婦共有財産について精算するものなので、不倫をしたかどうかにより左右されるものではありません。
また、養育費は子どもの監護や教育のために必要な費用なので、妻の不倫に左右されるものではありません。
妻が不倫をしたとしても親権を夫が取得するわけではない
子どもがいる夫婦の場合、離婚する際には父母のうち一方を子どもの親権者として決めなければなりません。
妻が不倫をした場合でも、子どもの親権者が夫になるとは限らず、当事者の協議あるいは調停・裁判で決めることになります。
妻が不倫をした場合でも親権の取得については母親のほうが有利であることが一般的ですので注意をしましょう。
妻が不倫をした場合に夫が離婚を有利に進めるには
- 妻が不倫をした場合に夫が離婚を有利に進めるための方法
- 妻が不倫をした証拠を確実に収集する
妻が不倫をした場合に、夫としてはどのようにすれば離婚を有利に進められるでしょうか。
離婚一般的に言えることですが、きちんと証拠を集めることです。特に親権を取得するには妻が母親として子どもの監護・教育に適さないことの証拠を念入りに集めることをおすすめします。
妻が不倫をした場合、夫はどのようにすれば有利に離婚を進めることができるでしょうか。
妻の不倫の証拠をしっかり集める
妻が不倫をした場合に限らないのですが、不倫をした事実に関する証拠はきちんと集めましょう。
不倫に関する証拠をきちんと集められていない場合、不倫をしたという事実を立証できず、不倫の事実を認定をしてもらえない可能性があります。また、不倫の事実は認定されたとしても不倫の頻度や期間が適切にみとめられなくなるおそれがあります。
そのため、妻が不倫をした証拠はしっかり集めるようにしましょう。
探偵に証拠収集を依頼することも一つの手ですが、手元に何らかの証拠がある場合には、その証拠でどのような事実を認定することができるかについて弁護士に相談することをおすすめします。
妻が子どもの養育ができないことの証拠集めは念入りに行う
子どもがいて、子どもの親権が欲しいという場合には、妻が適切に子どもの監護・教育ができないことの証拠集めは念入りに行うようにしましょう。
親権は上述したように、子どもの監護・養育などに適しているかという観点から決められます。
そして、一般的には子どもと関わる時間が多い妻の側に親権が認められるケースが多いです。
そのため、夫が子どもの親権を取得したいという場合には、妻が子どもの監護・養育を適切に行うことができないという主張をして、その証拠を積み重ねる必要があります。
妻が不倫をしていたというケースでは、例えば子どもに食事を与えないで不倫相手に会いに行っていた、ということを主張するために、自宅に帰ったときに妻が家におらず子どもがお腹をすかせて待っていたという出来事を日時などと一緒にメモにしておくようにしましょう。
面会交流については細かく決めておく
もし親権の取得が難しい場合には、面会交流については細かく定めておくようにしましょう。
面会交流とは、離婚後に子どもと離れて暮らす父母の一方が子どもと面会をしたり、手紙や電話などの方法で交流することですが、方法や頻度などを曖昧なままにしておくと、子どもと会えなくなってしまう可能性があります。
そのため、面会交流については細かく決めておくようにしましょう。
まとめ
このページでは、妻が不倫をしたときに、夫として知っておくべき法的な知識や、離婚の交渉をする際に有利に進めるための方法についてお伝えしました。
妻が不倫をしているにも関わらず離婚をするならば慰謝料を請求するというケースはよくあるのですが、慰謝料・財産分与・養育費など厳密な区別がつかないまま主張する人も珍しくありません。
誰に何を請求することができるかを確認しながら、離婚を有利に進める・確実に証拠を集めるために、弁護士に相談することをおすすめします。