- 養育費とは
- 養育費を請求するための手続き
- 養育費が決まったあとの増額・減額や支払われない場合の対応
【Cross Talk 】養育費ってどんな権利ですか?
夫と離婚を検討しています。子どもがいるので養育費を支払ってもらうことになると思うのですが、養育費ってそもそもどのような権利なのかを知っておきたいと思いまして…。
子どもが社会的・経済的に自立するために必要な費用の負担を請求する権利です。いくらもらえるのか、いつまでもらえるのかなどの基本的なことを知っておきましょう。
よろしくお願いします。
離婚をするときに子どもがいると、多くの場合妻が子どもの親権者となり、妻から夫に対して養育費を請求することになります。離婚時には慰謝料・財産分与などと一緒にお金の問題として養育費を決めることがあるのですが、養育費とはどのような内容のものなのでしょうか。このページでは養育費についてお伝えいたします。
養育費とは
- 養育費とはどのような権利か
- 養育費としてもらえる額
養育費とはどのような権利でいくら貰えるのでしょうか。
養育費の内容と、もらえる額について確認しましょう。
養育費とは、子どもが経済的・社会的に自立するために、監護・教育に必要な費用をいいます。
子どもを監護している親(権利者)が、子どもを監護していない親に対して請求できます。
離婚をする際に決める金銭的なものとしては、養育費のほかに
・財産分与:婚姻期間中の夫婦共有財産の精算
というものがあります。
養育費は、子どもが自立するために必要なもので、慰謝料・財産分与のように一括して支払うものではく、自立するまで毎月支払うという性質を持っています。
養育費は誰が決めるのか
養育費は、まずは当事者が協議で決めます。
当事者の協議で決まらない場合には、離婚調停において当事者の合意で決め、調停でも合意できない場合には、裁判所が決めます。
養育費はいくらもらえるのか(計算方法)
養育費がいくらもらえるかは、養育費を支払う人(義務者)の収入・養育費をもらう人(権利者)の収入・子どもが病気を抱えていて治療費がかかる・私立学校にいっている・習い事をしているなどの事情によって異なります。
基本的には裁判所が作成している養育費算定表をもとに計算をします。
養育費はいつからいつまでもらえるのか
養育費は離婚をしたときから当事者で取り決めた年齢に達するまでもらえます。
成年を一つの区切りにする方もいれば、昨今では大学卒業を一つの区切りにする方も多いです。
そのため、現在の成年の18歳・かつての成年や短期大学・専門学校卒業の20歳・4大卒業の22歳と取り決めることが多いです。
取り決めは、義務者の学歴や子どもの意向を参考に決められます。
養育費を請求する手続き
- 養育費を請求する手続き
- 離婚の調停・裁判について確認
養育費を請求する手続きにはどのようなものがありますか?
まずは当事者で話し合い、当事者で話し合っても合意ができない場合には調停・裁判を利用します。
養育費を請求するための手続きについて確認しましょう。
当事者の協議で決める
養育費はまず当事者の協議で決めるのが基本です。
通常は慰謝料や財産分与・面会交流などの他の決定事項と一緒に、離婚協議書として書面にします。
書面を公正証書にすると、未払いとなったときにすぐに強制執行ができるようになるので、公正証書にしておくことをおすすめします。
家庭裁判所に調停を申立てる
当事者の協議が調わない場合には、調停で養育費を決めます。
調停とは、裁判所1名と民間から選ばれた調停委員2名の3名からなる調停委員会が、当事者の主張を聞きながら合意を目指す手続きです。
当事者が直接顔を合わせずに交渉を進めることができるので、冷静に協議ができない状況ならば早めに調停を申立てるようにしましょう。
裁判・審判を起こす
調停で合意できない場合には、裁判・審判を起こします。
離婚自体にも合意できていない場合には離婚裁判の中で養育費も決定します。
既に離婚をしていて、養育費の支払いを求めるだけの場合には審判の申立てを行います。
いずれも最終的には裁判官が養育費を決定してくれます。
養育費が決まった後について
- 養育費を請求する手続き
- 離婚の調停・裁判について確認
養育費が決まった後のことについて知っておくべきことはありますか?
養育費の増額・減額や、養育費が支払われなくなったときの措置について確認しておきましょう。
養育費が決まった後に問題になることを2点確認しておきましょう。
養育費の増額・減額
養育費は決定をしたときの父母双方の収入などの状況を考慮して決定されます。
しかし、長年養育費を支払う中で、収入が増える・減る・再婚するなど、これらの状況が変化することもあります。
これに応じて、養育費を増額・減額することがあります。
養育費が支払われなくなったら
養育費の支払いがされなくなってしまうことがあります。
この場合には相手の現金・不動産・給与を差し押さえるなど、法的手続きに速やかに移る必要があります。
手続きには時間がかかるので、スムーズに養育費を回収するために、弁護士に依頼することをおすすめします。
なお、自己破産を理由に養育費を支払わない場合でも、養育費は自己破産によって免責されないことになっているので、請求することが可能です。
まとめ
このページでは、養育費とはどのような権利か、を中心にお伝えしました。
子どもの自立のために必要な費用が養育費で、離婚の原因を問わず支払う必要があります。
適正な金額がいくらかについては、夫婦の状況ごとに判断する必要があるので、まずは弁護士に相談してみてください。