- 養育費の目安は「養育費算定表」で知ることができる
- 養育費は両親の収入や子どもの年齢によって決まる
- 養育費は2人で話し合い、合意した際には書面化する。合意できない場合は調停へ
【Cross Talk 】子どもが3人います。養育費はどのくらい請求できますか?
離婚に向けて話し合っています。子どもは3人で私は現在働いていないのですが、養育費はいくらもらえますか?
養育費には「養育費算定表」という目安の金額があります。両親の収入や子どもの年齢によって異なりますので、算定表を参考に話し合いましょう。
詳しく教えてください。
離婚時に子どもが多いと養育費の金額が気になる方は多いのではないでしょうか。
養育費の目安には裁判所が作成した「養育費算定表」があります。調停・訴訟では養育費算定表を基に養育費について話し合いが行われます。
今回は養育費とは、養育費算定表について離婚時に子どもが3人いる場合の養育費や請求の流れについて解説していきます。
子ども3人の養育費はいくら?「養育費算定表」とは?
- 養育費とは子どもの監護や教育のために必要な費用
- 養育費の目安は「養育費算定表」で把握する
そもそも養育費とは何でしょうか?
子どもの監護や教育のために必要な費用です。例えば生活費や医療費、教育費などが該当します。
養育費とは
養育費とは子どもの監護や教育のために必要な費用のことです。具体的には以下のものがあります。
- 生活費
- 衣食住にかかわる費用
- 医療費
- 交通費
- 教育費
- お小遣いなど
子どもを監護している親は、もう一方の親から養育費を受け取ることが可能です。
離婚によって親権者でなくなった場合でも、親として養育費を支払う義務があります。
養育費は両親の収入や子どもの年齢によって決められ、目安として「養育費算定表」があります。
「養育費算定表」で目安を知っておこう
東京・大阪の家庭裁判所所属の裁判官が「養育費・婚姻費用の算定に関する実証的研究」をテーマに司法研究を行い、2019年に研究報告が公表されました。
研究報告では、家庭裁判所で養育費・婚姻費用の算定をするときに利用されている資料の考え方を踏まえて基礎となる統計資料を更新し標準算定方式・算定表(2019年度版)を提案しています。
婚姻費用や養育費の「算定表」と呼ばれ、算定の目安となっています。
子ども3人の場合の養育費の目安
厚生労働省の「2021年度全国ひとり親世帯等調査結果報告※1」によると、2020年のひとり親世帯の平均収入は以下の通りです。
2021年の司法統計※2では「離婚」の調停成立または調停に代わる審判事件のうち「子の親権者の定め」をすべき件数は19,915件で、そのうち18,678件(93.8%)は母親が親権者でした。
もちろんシングルファザーも存在しますが、数が多い「母親が親権者」で年収は上記の平均の272万円と仮定して子ども3人の養育費を見ていきましょう。
子どもが3人いる場合の母親(給与所得者)の年収が272万円程度の場合の目安は以下の通りです。
算定表は以下のサイトで閲覧できます。
裁判所ホームページ「司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について」
離婚時の養育費請求の流れ
- まずは2人で話し合い財産分与・養育費・面会交流などについて取り決める
- 合意できた場合は書面化、できない場合は調停を申し立てる
養育費の金額でお互い合意できません。どうすれば良いでしょうか?
調停で話し合うことになるでしょう。何らかの事情で調停を避けたい方は、弁護士に依頼し代理人として交渉を依頼することを検討しましょう。
2人で話し合う
親権はどちらが持つか、養育費の金額や支払い期間、支払い方法などについて2人で話し合い取り決めます。
毎月の養育費とは別に、入学費用や大学の授業料・子どものケガや病気などで出費が生じた場合に、どのように父母が負担するのかも決めておくことが望ましいです。
離婚後の面会交流の頻度や場所などについても決めておきましょう。
合意ができた場合には書面化する
養育費や面会交流について双方が合意できたときには合意書・公正証書を作成しましょう。
公正証書は手数料がかかりますが「養育費を支払わないときには強制執行を認諾する」といった文言(強制執行認諾文言)を入れることで、支払いが滞った際に強制執行の手続きが可能となります。
話がまとまらないときには調停へ
父母の間で話がまとまらない、何らかの事情で話し合いにならない場合には家庭裁判所で調停の手続きをします。調停の前に弁護士に相談し、代理人として交渉して貰うことも可能です。
調停では解決を目指して調停委員と話し合います。調停が不成立になったときは、審判手続に移行します。
養育費や離婚後の生活でお困りの方は弁護士に相談を
養育費について詳しく知りたい、離婚について悩んでいる方は弁護士に相談するという方法があります。
離婚問題に詳しい弁護士に相談することで、法律の観点からの対処法や実績に基づくアドバイスなどを聞くことができるでしょう。
まとめ
子どもが3人いる場合の養育費の目安、請求の流れなどについてお伝えしてきました。
まずは算定表で養育費の目安を確認しましょう。「養育費が足りないから相手と交渉したい」「不貞行為があるので慰謝料も請求したい」などの希望がある方は、弁護士への相談をおすすめいたします。