離婚調停が不成立に終わる際のパターンと対処法を解説いたします。
ざっくりポイント
  • 調停不成立の割合は約18%。話し合いが平行線の場合は不成立に終わる事例がある
  • 調停不成立に終わったときは、再協議・再び調停をする・訴訟を起こす・弁護士に相談するの4つがある
  • 弁護士と相談しながら、状況に合った解決を目指す

目次

【Cross Talk 】離婚調停が不成立に終わってしまった…どうすれば良い?

離婚調停で相手が離婚を拒否して不成立に終わってしまいました。私は離婚したいのですが、どうすれば良いでしょうか?

再協議・再び調停・訴訟・弁護士と相談という4つの対処法があります。離婚したい場合には弁護士と相談しながら再協議または訴訟という流れが多いでしょう。

離婚調停が不成立に終わった時の対処法を解説していきます。

「離婚調停が不成立に終わってしまった」「離婚調停を申立てたいけど不成立に終わったらどうしよう」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。
離婚調停は解決に向けて話し合う場であり、相手が出席しなかった、離婚を拒否した場合などでは不成立に終わってしまうことがあります。
2021年は婚姻関係事件数のうち約18%が不成立でした。今回は、離婚調停の終了パターン4つと不成立に終わった際の対処法を解説していきます。

調停不成立の割合は約18%!4つの終了パターンとは

知っておきたい離婚のポイント
  • 2021年度の全国の裁判所の婚姻関係事件数のうち、調停不成立の割合は約18%
  • 調停には4つの終了パターンがあり、申立人の意向によって対処法は異なる

離婚調停で相手が裁判所に来ません。どうなるのでしょうか?

調停は不成立になる可能性が高いです。離婚の意向が変わらないのであれば、訴訟への移行を検討しましょう。

離婚調停の流れとは?2021年度は約18%が不成立に

最高裁判所事務総局が発表した「2021年司法統計 家事編※1」によると、2021年の全国の裁判所の婚姻関係事件数は64885件でした。
うち調停が成立した事件は31930件(49.2%)、調停不成立は11739件(18.1%)です。

離婚について、夫婦で話し合いの解決ができない場合、家庭裁判所に調停を申立てる流れが一般的ですが約2割は不成立に終わっています。
調停が不成立で終わるとは一体どのような場合なのでしょうか?

調停には4つの終了パターンがある

調停の終了には以下の4つのパターンが存在します。

終了パターン 理由 その後の流れ
1.調停が行われず不成立に終わる 当事者の一方が欠席し、話し合いができないなど 訴訟へ移行
2.申立人が取り下げる 申立人の意向が変わり、調停を取り下げる 申立人の意思による
3.当事者のどちらかが亡くなる 一方が亡くなる 「当然終了」として取り扱われる
4.裁判官が調停不成立を告げる 相手が離婚を拒否・離婚原因を否定など夫婦が合意する見込みがない
話し合いをしても意味がないと判断されるなど
訴訟または審判へ移行

調停不成立は上記4のパターンが多いと思われます。
そもそも相手方が調停に来ないため不成立となる、離婚の条件がまとまらず、話し合いの見込みがない、離婚原因となっている不貞行為・DV・モラハラなどを相手方が認めず、離婚を拒否している場合に、訴訟移行する場合が多いです。

申立人の意見が変わり調停の申立てを取り下げる、当事者の一方が亡くなることで終了することもあります。

離婚調停が不成立になった場合の対処法

知っておきたい離婚のポイント
  • 不成立になったときには、再協議・調停・訴訟・弁護士と相談という4つの対処法がある
  • 離婚したい場合には弁護士と相談しながら再協議・訴訟で離婚成立を目指す方法がおすすめ

どうしても離婚したいのですが、どのような対処法がありますか?

離婚への希望が強い場合には、弁護士と相談しながら再協議または訴訟で離婚成立を目指しましょう。

再協議をする

調停を終えた後、弁護士等の専門家に依頼し、再協議をすることが考えられます。
相手と顔を合わせたくない場合でも、弁護士は代理人として代わりに交渉することができます。

相手が話し合いに応じない場合には、訴訟を申立てることが多いです。

離婚訴訟を起こす

離婚訴訟は、裁判官が当事者双方の言い分を聞き、証拠に基づいて判決をすることによって紛争の解決を図る手続きです。※4
離婚訴訟の場合、最終的には離婚を認めるまたは離婚を認めないという判決が下されます。

日本の家事事件(相続・離婚など家庭内の紛争)は基本的に「調停前置主義」で、調停を経てから訴訟を起こすことが可能となります。ただし、場合によっては調停を経ずに訴訟を起こすことが可能です。

弁護士に相談

「再調停・審判・訴訟などの選択肢があるけどどうすればいいのか分からない」「私の場合ではどの方法がベスト?」と悩まれる方は弁護士への相談をおすすめします。

弁護士は法律の専門家であり個人間の紛争解決のプロでもあります。
離婚調停・裁判の実績が豊富な弁護士は過去の判例に基づいた「あなたの場合は訴訟を起こしたほうが良い」「再協議で解決できる」などの的確なアドバイスをもらえるかもしれません。
効率的な手続きがしたい、費用を最小限におさえたいなどの希望がある方は弁護士への相談を検討しましょう。

まとめ

離婚調停が不成立に終わった場合、弁護士と相談しながら再協議や訴訟という対処法があります。
離婚に強い弁護士に相談することで、経験や専門知識を基に離婚成立に持ち込める事例が存在します。離婚調停が不成立に終わり悩んでいる方は、まず弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。