離婚調停中にやってはいけないこと、やっておくべきことについて解説いたします。
ざっくりポイント
  • 離婚調停中には、マッチングアプリをする・異性と会うなど誤解を招く行為や婚姻費用の不払いはしない
  • 矛盾した発言や相手の悪口・批判も信頼を失うおそれがある
  • 調停前には調停委員からの質問に答えられるようにシミュレーションしておく

目次

【Cross Talk 】離婚調停中にやってはいけないこととは?

現在離婚調停中です。別居中なのに配偶者から婚姻費用を請求されましたが、離婚に向けて調停をしているので払う必要はないですよね?

たとえ別居中・調停中でも、夫婦は婚姻費用を分担する義務があります。一般的に相手が自分より収入が低い(またはない)場合は、婚姻費用を支払います。

詳しく教えてください。

離婚調停中にやってはいけないことや不利になる発言、やるべきこととは?

離婚調停中だからといって、例えば婚姻費用を払わない、異性と交際するなどの行為はのちに不利になるおそれがあります。

夫婦は婚姻費用を分担する義務があり、収入の多い方が少ない(ない)方に婚姻費用を支払う場合が一般的です。また、異性との交際などは、不貞行為とみなされ慰謝料請求をされてしまう可能性があるため避けた方が良いでしょう。

今回は、離婚調停中にやってはいけないことや不利になる発言、やるべきことを解説していきます。

離婚調停中にやってはいけないこと・不利になる発言

知っておきたい離婚のポイント
  • 異性と会う、相手に嫌がらせをする、婚姻費用を払わないなどの行為は避ける
  • 調停委員に対して嘘はつかず、矛盾した発言は控える

調停中でも異性と会うのはだめでしょうか?マッチングアプリで約束してしまいました。

既に夫婦関係が破綻しているのであれば、慰謝料請求の対象になる可能性は低いです。
しかし、出会った時に夫婦関係は破綻していたと証明できなければ慰謝料請求の対象となる可能性がありますので、避けた方が良いでしょう。

異性と会う、相手に嫌がらせをする、婚姻費用を払わないなどの行為

離婚調停とは、家庭裁判所で調停委員を介して解決に向けて話し合う場です。

調停の期間は場合によって異なりますが、3カ月~1年程度
といわれています。夫婦のどちらかが調停を申立てると双方に呼び出し状が届き調停が行われます。
調停中には、やるべきこととやってはいけないことがあります。まず、やってはいけないことからおさえておきましょう。

第一に、異性と会う行為は誤解を招くため避けた方が良い
でしょう。調停を申立てた後でも、離婚届を出していない場合はまだ法律上夫婦ですので不貞行為と誤解を招くおそれがあります。

調停中には調停委員を間に入れて話し合いを進めるため、相手に直接文句を言う、嫌がらせをする行為も避けましょう。

婚姻費用を払わない行為は「悪意の遺棄(理由がなく、夫婦の協力・扶助の義務を怠ること)」とみなされ慰謝料を請求されてしまう可能性があります。
別居中であっても夫婦は婚姻費用を負担する義務がありますので、
婚姻費用は必ず支払いましょう。

調停では矛盾した発言、相手の悪口や批判などは不利になる可能性がある

調停中に調停委員との会話の内容によっては、離婚時に不利になってしまうことがあります。

例えば相手の悪口や批判は話し合いが進まなくなってしまい、調停員や裁判官の心証も悪くなる可能性があります。
「養育費を支払ってもいい」と答えた後で「やはり養育費は支払いたくない」など矛盾した発言があると、信頼性を損ねてしまいます。事実ではない発言(相手が不倫をしたなど)も実は嘘だったと分かると説得力が無くなってしまいますので控えるよう心がけましょう。

離婚調停中にマッチングアプリをする、異性と交際するのはNG?

離婚調停中に気晴らしにマッチングアプリをする、異性と交際するのは控えた方が良いでしょう。

相手に知られてしまった場合、慰謝料を請求されるおそれがあります。たとえ別居中や調停中で既に夫婦関係が破綻していても、証明できないと慰謝料請求の対象となってしまう可能性があります。

別居中・調停中は誤解を招く行動は控えましょう。
また、多くのマッチングアプリでは利用規約に婚姻していないことが条件となっていることも多いため、マッチングアプリで知り合った方からの慰謝料請求もありえます。

離婚調停前・調停中でやっておくべきこと

知っておきたい離婚のポイント
  • 調停日の前に、調停委員からの質問に答えられるよう準備しておく
  • あらかじめ弁護士に相談し、伝えたいことを整理しておくという方法もある

調停で上手く話せるか不安です。調停でも弁護士に相談していいのでしょうか?

もちろん大丈夫です。弁護士と相談しながら調停委員に言いたいことを整理し、ポイントをおさえて話せるようにしておくことをおすすめします。

調停委員からの質問に答えられるよう準備しておく

調停日は、家庭裁判所の控え室で待機した後に調停室に入り調停委員と話し合います。最後に確認や次回の調停日を決めるという流れです。

調停委員と話し合う前に、以下のことについて質問に答えられるよう準備をしておきましょう。

離婚の原因・2人のどちらが離婚の原因を作ったのか
離婚の原因となったことの詳細
財産分与などお金に関すること
子どもがいる場合は親権・養育費・面会交流について
希望する条件と譲歩しても良い条件

できれば事前に弁護士に相談し、主張したいポイントなどを整理したうえで調停に臨むとスムーズに話し合いを進められる可能性があります。

子どもの親権・面会交流などは調査官から調査されることがある

子どもの親権や面会交流については、家庭裁判所の調査官が調査をすることがあります。
例えば離婚調停で両親が親権を争っている場合には、親子の様子を観察する、子どもと面接するなどの方法で子どもの思いを調停委員や両親に伝えることがあります。また、子どもの福祉を優先した解決について裁判官に意見を提出します。※1
調査官の提出した調査結果は裁判官の下す審判(決定)の判断材料※2の1つとなります。

気になる方は弁護士にご相談を

調停で調停委員と上手く話せるか不安な方、専門家の意見を聞きたい方は弁護士への相談を検討してみましょう。
弁護士と相談しながら、伝えたいポイントを整理することで調停では要点をおさえて話せるようになるかもしれません。

まとめ

離婚調停中には、異性を家に招くといった誤解を与える行動や相手に嫌がらせをする行為は避けましょう。婚姻費用の不払いは慰謝料請求の対象となる可能性があります。
調停中で調停委員に質問されたときの答え方が気になる方や、調停を有利に進めたい方は弁護士への相談を検討しましょう