- 残業代をもらえない場合に相談する機関
- 弁護士に相談するメリット
【Cross Talk】残業代をもらえない!どこに相談するといいの?
私の会社では長時間の残業があるにもかかわらず残業代が支払われません。
どうにかしたいと思っているのですが、法律の規定とか交渉とかってなんだか難しくて一人でできないと思ってます。
どこかに相談をしようと思うのですが、どのような相談先があるか、教えてもらっても良いですか?
労働問題に関する相談をできる機関についてお伝えしますが、弁護士に相談することは大きなメリットがあります。
残業代がもらえないような場合に、その請求をするにあたって、一人で行うためには必要な労働関係の法律に関する知識が足りない・会社と交渉をするのが不安である、という場合には専門家への相談をしながら行うのが適切です。労働問題については様々な相談機関がありますので、どのような種類の機関があるかを知った上で、弁護士に相談をすることのメリットを知ってください。
残業代をもらえない場合の相談先
- 残業代をもらえないような場合の相談先
残業代の相談をすることができるところにはどのようなものがありますか?
残業代の相談をできるところはたくさんあるのでご紹介します。
残業代の相談をすることができる機関にはどのような機関があるのでしょうか。
労働組合
「労働問題」となった場合には会社で組織されている労働組合や、産業別にあつまっているもの(自治労・自動車総連など)・全国的に組織されたもの(日本労働組合総連合会など)があります。
労働組合は基本的には労働者が団体で使用者と交渉しようというものです。
残業代問題が会社全体の問題になっているような場合に、団体交渉をしてくれるような場合はありますが、個々の残業代の請求に積極的に取り組んでくれるわけではありません。
相談に乗ってもらうのが限度であるといえます。
労働基準監督署
労働基準監督署は、労働基準法に基づいて設置されている行政庁で、労働関係の法律をきちんと守っているか?をチェックして、これに違反しているような場合には行政指導を行うなどする権限があります。
残業代は賃金に外ならず、残業代の支払をしないということは、賃金を支払わない事になりますので、労働基準監督署でも相談を受け付けてくれることにはなります。
ただし、労働基準監督署は、労働基準法に違反した行為があった場合に行政庁としての指導・監督を行う機関であって、残業代の支払義務を認めてくれるところではありません。
会社が「残業をしていない」「自主的に残っているだけで給与の支払義務のあるものではない」というような反論をしたときには、労働基準法に違反していることの証拠などを提示する必要があります。
また、労働基準監督署が動いた場合でも、行政指導を通じて払わせるように指導するだけで、個々の請求権の解決をしてくれるものではありません。
現実的には、労働基準監督署は人手不足が指摘されており、明らかな労働基準法違反案件でもない限りすぐに動くことができないのが現状のようです。
総合労働相談コーナー
「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」に基づいて、労働問題に関する相談を受けるために、労働基準監督署・各都道府県の労働局の中に、「総合労働コーナー」というものを設定しています。
ここでは、残業代も含んだ、解雇・セクハラ・パワハラ・配置転換などの労働問題に対して、専門の相談員が面談・電話で相談を受けています。
個別の案件の紛争の相談を受け付けた上で、労働基準法違反の疑いがある場合には、労働基準監督署に取り次ぐ、都道府県労働局による助言・指導を通じて紛争解決を促進する、公平な第三者としての紛争解決手段である「あっせん」を行うなどしています。
紛争解決に向けての手続をすすめてくれるもので、法的な助言などもしてくれるものですが、あくまで最後は自分で決断をするものです。
弁護士
未払い残業代の請求については弁護士に依頼をして取り戻すという方法があります。
残業代請求は個々の請求権に関するものなので、上記のような相談をしてもらったり、あっせんなどをしてもらっても納得がいかない場合には最終的には裁判手続で白黒をつけることになりますので、弁護士に相談・依頼するのが適切であるといえます。
弁護士に相談するメリット
- 弁護士は法的な助力を得ることができるというメリットがある
- 弁護士は交渉を代理してくれるというメリットがある
弁護士に依頼するのには費用がかかりますよね。費用をかけて弁護士に依頼するメリットはどのようなことがありますか?
当然ながら法的なサポートを得られるのですが、残業代請求は当事者で解決しようとすると単なる金銭債権の請求以上に感情的な対立になりがちで、弁護士が代理して交渉をしてくれることにより解決しやすくなるといえます。
弁護士に依頼をするということは費用がかかるものになるのですが、費用がかかっても利用すべきメリットを知ってください。
法的なアドバイスをしてくれる
弁護士に相談をすると、法律的な観点から、残業代請求にあたって必要な事についてのアドバイスを受けることが可能になります。
難しい残業代の計算を行ってくれる
残業代請求をする際には、未払いの残業代がいくらあるのかを計算しなくてはならないのですが、その計算をするためには労働基準法に関する知識や、どのような範囲で請求すれば最終的に裁判をした際に認定してもらえるか、という民事訴訟の知識など、複雑かつ広い知識が必要です。
弁護士に依頼をすると、法的なアドバイスとともに、いくらの残業代で請求するかについての計算を任せることもできます。
労働者の代わりに会社と交渉してくれる
さらに弁護士は相手方との交渉・裁判などを代理してくれます。
未払いの残業代があるときに会社が労働者に支払わなければならないのは当然なのですが、この請求を当事者間のみで行うと、労働者としても搾取されていた気持ちが強くなったり、会社としても今まで面倒見てあげたのに…といった気持ちが強くなったりして、通常の金銭の請求権以上に当事者間の対立が激しくなりがちです。
弁護士は、依頼者の代理をしてくれるもので、その結果相手と直接やりとりをせずに請求をすすめてくれます。
弁護士は、冷静に相手に対して必要な事実をつきつけて相手に請求をしていくことになり、会社としても弁護士から請求がきているもので余計な反論をしても無駄であると考えて応じる可能性も高くなり、紛争自体が早期に解決されることが期待できます。
まとめ
このページでは、残業代について相談する先についてお伝えしました。
労働問題は国の政策にもなるので、様々な相談先が用意されていますが、残業代請求のような個々の請求権についての解決は最終的には裁判によります。
法律・裁判に関するサポートのみならず、代理によって相手との交渉を任せることができ最短での解決を図ってくれる弁護士への依頼を検討するようにしましょう。