残業代請求をする場合にメモは証拠になるか
ざっくりポイント
  • 残業代請求には証拠が必要になる
  • メモは証拠になるか
  • メモをする場合のコツ

目次

【Cross Talk 】残業代請求をする場合にメモをしておくことは証拠になりますか?

今の会社が残業代を支払いません。退職したら残業代を請求しようと思うのですが、残業代が払われていないことの証拠を残したいです。タイムカードのようなものがないので、代わりにメモをしていこうと思うのですが、どう思いますか?

メモだけだと一方的に作成することができますので、それだけでは弱い可能性があります。そのため他の証拠と合わせる必要があるでしょう。もしメモをする場合には、できる限り詳細を書くようにしましょう。

そうなんですね!詳しく教えてください。

メモは証拠になる?残業代請求にはどのようなメモを残すべき?

残業代請求をする場合、雇用主と折り合いが付かなければ裁判を起こす必要があります。民事裁判では主張する事実を証拠で証明する必要があるので、残業代請求をする側が証拠を収集しなければなりません。
タイムカードなどがないような場合、勤務時間を自分でメモすることが考えられるのですが、メモは証拠になるのでしょうか。証拠になるとしてどのようなメモを残せば良いのでしょうか。

残業代請求をするためには証拠が必要

知っておきたい残業代請求のポイント
  • 残業代請求をするためには証拠が必要
  • きちんと証拠が集まっていれば残業代請求が有利になる

残業代請求をするには証拠が必要なのですか?

はい。残業代請求を争う場合、最終的には民事裁判を起こす必要があります。この場合主張する側が証拠によって立証する必要があるので、証拠が必要とされます。

残業代請求をするためには証拠が必要です。

残業代請求をするために証拠が必要な理由

残業代請求をするためには証拠が必要です。

残業代請求は、最終的には裁判で請求をすることになります。
裁判では、基本的にはある事実について主張をする側が証拠を提示する必要があります。

つまり、残業代の請求をする場合には、時間外労働を行ったこと、その支払いがされていないことを主張する必要があります。

証拠がきちんと集まっていると残業代請求は有利に進む

きちんと証拠が集まっていない場合、残業代の請求をしても、裁判をした場合に有利に進めることができないため、その前の会社との交渉も非常に厳しくなることが予想されます。
一方で、きちんとした証拠が集まっていれば、残業代請求の裁判も有利に進む見立てがあるため、交渉でも有利にすすめることが可能となります。

残業代請求をするためにメモを証拠とすることができるか

知っておきたい残業代請求のポイント
  • メモだけでは残業代請求の証拠とできないことがある
  • メモ以外の証拠もきちんと集める

残業代についてのメモを証拠にすることはできないですか?

メモは自分で作れてしまうため、それだけで残業をしたことを証明することが難しいです。メモ自体をしっかり残すことに加え、その他の証拠をしっかり集めてメモと整合性があれば、残業代請求の確たる証拠にできる可能性が高まります。

メモだけでは証明できない可能性が高い

メモは自分一人で作成するもので、客観的な証拠ではありません。
そのため、メモがあるだけでは、残業代請求の基礎となる時間外労働の存在を証明できない可能性が高くなります。

しかし、他の証拠がある場合で、証拠がない部分についてメモがあるような場合には、他の証拠としっかり整合していれば、メモの内容が正しいのではないか?という推測ができるようになります。
そのため、他の証拠からメモの内容が正しいといえることで、残業代の証明をすることが可能となる場合があります。

メモをする場合のコツ

メモをする場合には、

  • できるかぎり細かく記載する
  • 他の証拠との整合性がある

ことにより、残業をしたことの証拠として認められる可能性が高まります。

例えば、「1月は毎日30分~1時間の残業をした」というメモよりも、「○月○日 20:30分退勤 ○月○日22:18分退勤 理由は○○」と非常に細かく記載しているメモのほうが、信ぴょう性があるといえるでしょう。

そのため、できる限り細かく記載することで、メモの信頼性を高めるようにします。
休憩時間・退勤をした時間・指示されていた内容などを記載することで、残業の実態が記載されていると裁判官が評価できるようになります。

また、後述するように、メールで残業の指示があったような場合には、その指示の内容がメモの内容と整合性があるかもきちんと精査します。

メモを裏付けるための証拠をしっかり集める

メモの内容を裏付ける他の証拠があるならばしっかり集めましょう。
業務の指示がメール・SNSなどであった場合には、そのメールのスクリーンショットをしてプリントアウトするなどの処理をします。
どのような証拠が収集可能かは、状況によって異なるので、早めに弁護士に相談してみてください。

まとめ

このページでは、残業代請求においてメモが証拠になるのかについてお伝えしました。
メモは自分一人で作成するものなので、本当にメモの通りの労働実態があったのかを証明することは難しいです。
メモをとるときには、残業の実態が分かるように細かく作成し、他の証拠と一緒に利用することになります。
どのようにメモを作成するかは、状況によって異なるので、早めに弁護士に相談してください。