相続放棄を成功させるための3つのポイント
負債を残して亡くなられた方から、相続によって負債がご自身に引き継がれないように相続人の方が行うのが相続放棄です。
当事務所でも、ご自身の親の死後に多額の借金が発覚したというお客様や、遠くの見知らぬ親戚が亡くなり、めぐりめぐってご自身が相続人となって、税金の納付状が見知らぬ役所から突然届く等の事態に見舞われたお客様等から、日々多くのご相談をいただいています。
ここでは、相続放棄を成功させる実践的な3つのポイントについて詳しくご紹介します。
相続放棄成功のポイント(1)お客様の状況や遺された負債の詳細な把握
相続放棄で多い3つのパターン
相続放棄について当事務所にご相談いただくお客様は、大きく分けて3つのパターンに分かれます。
(ア)亡くなった方の生前の状況を考えると、どうやら借金がありそう
(イ)亡くなった方には明らかに負債があって、ただちに放棄したい
(ウ)もう亡くなった方と一切の関わり合いを持ちたくない
順番に解説します。
相続放棄を希望されるパターンで一番多いのは、(ア)のように、不確かではあるけれど「どうやらプラスの財産よりも借金の方が多そうだ」という場合です。
たとえば亡くなられた方の生前の暮らしぶりや仕事・収入の状況、浪費癖や借金癖など、さまざまな事情を総合的に考えると、おそらく資産がマイナスであろうというケースが該当します。
このような場合、詳細な財産調査を行うまでもなく、相続人の方も「遺産はたぶんマイナスだろう」と、すでに認識されていることが多いです。
(イ)は、負債の全容が明らかで、どう考えても相続放棄した方がいいことが初めから明らかという場合です。
例えば、親が住宅ローンの返済途中で、死亡時にローン残額の支払いに充当される団体信用生命保険に加入していなかった場合(団信生命保険への加入が任意のフラット35で団信に加入していなかった場合)などがこのパターンに該当します。
相続財産だけではローン残額を支払いきれず、ローンの返済を継続しなければならないケースであれば、負債の方が大きいことは明白です。
しかし、たとえ親子の間柄でも、親の財産や負債の状況をオープンにして話し合っていたり、ご自身の親の借金の全容まで把握していたりする方は少ないのです。(これをお読みのみなさまはいかがでしょうか?)
(ア)(イ)は、いずれも亡くなられた方の負債が原因で相続放棄を希望されるパターンでした。
しかし、相続放棄を希望する理由は負債だけが原因とは限りません。
(ウ)は、負債ではなく、心情面が影響して相続放棄を希望するパターンです。相続放棄をすることで、なるべく早く自分の親に関する面倒ごとから逃れたいという思いを抱いてご相談いただく場合もあります。
たとえば両親の離婚後も、その子供たちは父親の相続人であり続けますが、父親の死亡時に、父と母の間や、父子間の離婚前や離婚後の関係性なども踏まえ、相続放棄をすることによってあらためて父親とは縁を切るという、心理的な区切りとする例もあります。
借金の存在が発覚するきっかけ
亡くなられた方の負債が原因で相続放棄を考えるにいたるいずれの場合でも、負債は、どのよう経緯で発覚するのでしょうか?
借金の存在が発覚するきっかけは、主に以下の2つに分かれます。
1) 借金の存在が生前からほぼ確実である「明白な借金型」
2) 被相続人が亡くなり、遺品整理をする中で借金の明細等が出てくる等の「遺品整理型」
1)の「明白な借金型」については、借金があるらしいとお客様が認識はしていても、その金額については相続発生後に明らかになるケースが大半です。
2)の「遺品整理型」は、お客様にとってはまったく寝耳に水の話で、突然明らかになった親の借金の存在に驚愕されることもめずらしくありません。
まずは状況を整理することで解決につなげられます
上記の1)「明白な借金型」、2)「遺品整理型」いずれのきっかけにせよ、対応を誤った場合にいかなる事態を招くのか分からず、脅威やストレスを強く感じられている方はたいへん多いです。
身に覚えのない、しかもしばしば全体像が分からない借金が、突然ご自身に降りかかってくる状態に陥るわけですから、恐怖感をおぼえられるのも無理はありません。
まずは、今の状況をなるべく具体的に把握することで、相続放棄という形に持ち込み、解決につなげることができます。
今後の方針を立てるためにも、分かる範囲で以下の項目について書き出し、状況を整理してみましょう。
■遺された財産を分かる範囲で(預貯金、不動産、車など)
■今明らかになっている借金の種類と、およその金額(もし分かれば)
■亡くなられた方の生前の生活や仕事、収入等の状況
状況を整理したら、相続放棄をした方がいいかどうかを判断し、相続放棄をした方がよさそうだという状況であれば、具体的に相続放棄を裁判所に申し立てるプロセスへと移りましょう。
相続放棄成功のポイント(2)家庭裁判所への申立のポイント
相続放棄を行うには、家庭裁判所に申し立てて、許可を得る必要があります。
ここでは実際に行われる家裁での手続について紹介し、申立を通すためのポイントについて解説します。
家裁への申立は一回きり?
相続放棄の申立は一度しか行えず、家裁の許可を得られなければ相続放棄は二度と出来なくなる…
そのような話を聞いたことがある方も多いかもしれません。
家裁での審査の実態が分からず、相続放棄の申立が「一回きり」で、万が一にでも許可が得られなければ即、負債を相続することが確定してしまうことについて、大きな恐怖や不安を感じられるかもしれません。
特に、被相続人の方が亡くなってから3か月経過してしまった場合、その時点で負債を相続することが確定してしまい、それを覆す機会が得られないのではないかと不安に駆られるお客様も多いです。
しかしたとえ「亡くなってから3か月」経ったからといって、相続放棄がただちに不可能となるわけではありません。
家裁に提出するための適切な申述書等を作成し、お客様が相続放棄を今申立てるに至った事情を適切に主張すれば、申立が却下されるケースは皆無に近いというのが、法律事務所から見た相続放棄の現場における体感値です。
「通る」説明の仕方を知り「通る」申述書を準備できるか
ただし、相続放棄の申立をして許可を得られるというのは、あくまで適切な書面を準備し、家裁から見て、相続放棄の申立が妥当であることが証明できた場合です。
相続放棄の申立をする際は、家裁の定める様式の申立書に書き込み、お客様の申述書等を添付して家裁に提出します。
この書面での準備がとても重要です。
なぜなら、家庭裁判所であれ民事訴訟であれ、審理にあたっては書面が重視されるからです。
相続放棄の場合、テレビドラマの法廷シーンのように、お客様に口頭での陳述の機会が与えられるわけではありません。手続きとしては、「書類を提出して結果を待つ」というのがほとんどすべてということになります。
したがって、書類を用意するにあたっては、相続放棄の申立を通すための戦略を踏まえて申述書を書くことがとても重要です。
相続放棄の要となる書面作成と家裁への申立について、過去に多くの相続放棄を手がけてきた弁護士に依頼すると、これまで数多くの申立を通してきた弁護士のノウハウをフル活用して、「通りやすい申立」をすることができます。
相続放棄を数多く手がけてきた弁護士の元にこそ、申立を通すノウハウが蓄積されている点は、ぜひ覚えておきたい重要なポイントです。
相続放棄成功のポイント(3)迅速かつ正確な手続の進行
弁護士が多い事務所ほど蓄積されたノウハウが豊富
相続放棄を成功させるために重要なポイントの一つが、家裁での手続を「迅速かつ正確に」進行させ、早期にお客様を負債から解放することです。
相続放棄の経験豊富な弁護士の元に、相続放棄の申立を通すノウハウが集まっているのは前述の通りです。
そして、弁護士を多数抱え、かつ相続放棄を含む相続関連の家事事件を数多く経験してきた事務所ほど、培われてきたノウハウも膨大なものとなります。
過去に取り扱ってきた事件で蓄積してきたノウハウのメリットは大きく、お客様からご相談をいただいた際に、弁護士同士が過去の案件対応で得たノウハウをお互いに共有することで、事務所としての対応力を大きく向上させることができます。
当事務所は20名以上の弁護士を擁しており、弁護士全員の知見を結集して、相続放棄を成功させるための迅速かつ精確な事件対応が可能となっています。
相続放棄の手続で重要な「パラリーガル」の役割
相続放棄の手続において重要な役割を果たすのは、弁護士だけではありません。
弁護士と共同して事件を担当する、法律事務の専門職である「パラリーガル」も大きな役割を果たします。
お客様の状況についてヒアリングを行い、方針を決めるのは弁護士ですが、実際の手続においては、弁護士の指揮の下で事務処理やお客様の対応をサポートするパラリーガルが大きな役割を果たします。
※弁護士とパラリーガルの関係は、病院における医師と看護師の関係をイメージすると、分かりやすいかもしれません。
当事務所においても、経験豊富な弁護士と、法律事務について日々研鑽に励んでいるパラリーガルのチーム制で相続放棄に対応しています。
弁護士とパラリーガルのチームがフル稼働することで、困難な案件も、できる限り相続放棄できるように創意工夫しています。
期限に間に合わない!そのようなときでも申立を通すための現場の知恵
相続放棄において、最もスピード感と正確性が求められるのが、期限が差し迫った相続放棄です。
必要な添付書類の準備が間に合いそうにないという場合や、相続放棄が必要になる事態を突然知った場合等、期限までに十分な余裕をもって準備をする日数を取れないことがあります。
それでは一見、どうやら期限に間に合いそうにないという場合は、まったく手の打ちようがないのでしょうか?実際のところ、そのような不安を抱えながらお問い合せいただくお客様もいらっしゃいます。
しかし、相続放棄の準備に十分な日数が取れない緊急時においても、ノウハウが豊富に蓄積されているからこそ発揮できる機動力を活かして、お客様の利益を第一に考えた動きを出来るのが、当事務所の大きな強みです。
現場の知恵を最大限に活用し、相続放棄の申立を通すための最善の手を打つことで、別な道が見えてくるケースは非常に多いのです。
「相続放棄の期限に間に合わない」と諦めず、いったん当事務所までお問い合せいただくことをおすすめします。
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相続放棄に対する東京新宿法律事務所の取り組み
過去に数多くの相続放棄を行う中で培われた、相続放棄に対する当事務所ならではの取り組みやノウハウについてご紹介します。
(1)相続放棄を数多く取り扱ってきた実績&ノウハウの蓄積
当事務所は20名以上の弁護士を抱えており、過去に相続放棄を取り扱ってきた経験が豊富です。
これまで得られた知見は所属弁護士の間で共有され、当事務所のノウハウとして蓄積されており、新たにご相談いただいたお客様のお悩みの解決に活かされています。
お客様がお一人で悩まれているときは不安が募る一回きりの相続放棄も、当事務所にとっては過去の引き出しの多さを活かして十分対応できるものです。
相続放棄は、これまで手がけてきた件数の多さが、申立の通しやすさや迅速な対応に即つながる分野です。
家裁で実際に数々の相続放棄の申立を通してきた当事務所の知見を、ぜひご活用ください。
(2)弁護士とパラリーガルの二面体制
当事務所は、弁護士だけでなく法律事務の専門職であるパラリーガルも多数抱えており、弁護士とパラリーガルのチームで相続放棄に対応しています。
迅速な書類作成や連絡対応など、当事務所のパラリーガルが活躍する場面は多岐にわたり、事務所全体の対応力を生み出す元となっています。
弁護士とパラリーガルのチーム体制だからこそ可能な、お客様への迅速なご対応や、手続のスムーズな進行については、お客様にぜひご体感いただきたいポイントです。
(3)お客様に役立つ実践的なアドバイス
当事務所は、ただ相続放棄の法律的な説明をしたり、家庭裁判所での手続を代行したりするだけではありません。
たとえば、ある日突然、身に覚えのない債権者からの督促状が自宅に届いて驚愕されるお客様はめずらしくありません。
また、まったく面識のない遠い親戚が亡くなり、めぐりめぐってご自身が知らない間に相続人となり、役所から突然税金の通知が届いた際に困惑されるお客様はたいへん多いです。
このような突然の事態に出くわし、現実にどのように対応すればいいのかについて、お客様が不利な立場にならないように具体的なアドバイスまで行い、いち早くお客様にご安心いただくのが当事務所の取り組みです。
(4)お客様に寄り添う姿勢
当事務所が相続放棄の分野で取り組むのは、まず、相続放棄そのものを成功に導くことです。
しかし相続放棄の本当の解決とは、相続放棄の手続が完了することだけではありません。
当事務所では「お客様の不安やお悩みを取り除き、平穏無事な状態を取り戻す」ことこそが相続放棄の本当の解決であると考えています。
当事務所に相続放棄についてご依頼いただいたお客様のアンケートでも、相続放棄が完了して「ホッとしました」「安心しました」という、心情面での安心感について喜びの声を多数いただいています。
「期限を過ぎているケースでしたので、相続放棄が認められるのが不安でした」50代/女性
「一人で悩まないで弁護士さんに相談するのが一番です」50代/女性
相続放棄について当事務所までご相談いただくお客様の多くが「一人で悩まず相談して本当によかった」「先が見えずに不安だったけれど、解決してホッとした」というご感想をお持ちです。
もし今、お客様がご家族の方の生前の借金や、まったく身に覚えのない督促状や税金の納付書等が送られてきてお困りの場合は、ぜひ一度当事務所までご相談くださいませ。
当事務所は、お客様の不安なお気持ちが解消され、平穏な毎日を過ごせる日を取り戻すために全力で、そしてやさしく丁寧にサポートさせていただきます。
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