- 遺産分割を口頭でしてしまうと様々なトラブルの原因になる
- 各種の相続手続きにおいて遺産分割協議書を要求される
- 遺産分割がまとまったら早めに遺産分割協議書を作成すべき
【Cross Talk 】遺産分割を口頭でしても大丈夫?
遺産分割協議書を作成するのが面倒なので、遺産分割を口頭でしようと思っています。
遺産分割を口頭でしてしまうと、様々なトラブルの原因になります。また、相続に関連する様々な手続きにおいて遺産分割協議書を要求されるので、必ず作成しましょう。
遺産分割を口頭でしてしまうと、トラブルの原因になるんですね。どのようなトラブルがあるかも教えてください!
相続人が話し合って遺産分割をする場合、遺産分割協議書を作成することは法的には必須ではありません。 しかし、遺産分割を口頭ですると様々なトラブルの原因になるだけでなく、相続に関する手続きが進みません。 そこで今回は、遺産分割を口頭でした場合にどのようなトラブルがあるか、また手続きが進まない理由について解説します。
遺産分割協議を口頭でするとトラブルになる
- 遺産分割を口頭ですると様々なトラブルの原因になる
- 当事者の言い分がズレる・細かい項目が成立していないなどのトラブルになる
遺産分割を口頭だけでした場合、トラブルになる可能性はありますか?
遺産分割を口頭だけでしてしまうと、当事者の言い分がズレる・細かい項目が成立していないなど、様々なトラブルの原因になるので注意しましょう。
遺産分割については、こちらの記事をご確認ください。 遺産分割とは?遺産分割で困ったら弁護士に相談!
複数の当事者の言い分がズレてトラブルになる
遺産分割協議を口頭でした場合、当事者の言い分にズレが生じてトラブルになる可能性があるので注意しましょう。 例えば、被相続人の遺産として預貯金と不動産があり、長男と次男の2人が相続人であるとします。 遺産分割協議を口頭でした結果、長男の認識は、「長男が預貯金を相続し、次男が不動産を相続する」であったとしましょう。しかし、次男の認識は逆であり、「長男が不動産を相続し、次男が預貯金を相続する」であった場合、ズレが生じているためにトラブルになってしまいます。 遺産分割協議を口頭でしてしまうと、どのような遺産分割の方法で合意したのかを客観的に確認することができません。
当事者の言い分にズレが生じた場合には、どの当事者の言い分が正しいのかを証明できなくなってしまうので、争いが生じる可能性が高いのです。 もし遺産分割協議書をきちんと作成していれば、どのような遺産分割の方法で合意したのかを文章で確認することができます。 当事者の言い分のズレによるトラブルを避けるために、必ず遺産分割協議書を作成しておきましょう。
遺産分割協議書については、こちらの記事をご確認ください。 遺産分割協議書とは?文例集から提出先まで解説!作成は弁護士へ!
細かい項目についての合意がないとしてトラブルになる
遺産分割協議を口頭でした場合、細かい項目についての合意がないと主張されて、トラブルになる可能性があるので注意しましょう。 遺産分割をする際には様々な取り決めをする必要がありますが、中には細かい項目もあるので、取り決めをしなかったり、取り決めの内容を忘れてしまったりなどの可能性があります。例えば、遺産分割協議を口頭でした後に、遺産分割の時点では把握していなかった遺産があることが判明したなどです。 遺産分割の後に判明した遺産をどうするかは、比較的に細かい項目なので、取り決めをしなかったり、取り決めを忘れてしまったりなどの可能性もあります。。 遺産分割協議書を作成しておけば、細かい項目の取り決めの有無や内容を文章で確認できるので、必ず作成しておきましょう。
あとから遺産分割協議の内容の無効を主張されてトラブルになる
遺産分割を口頭でしてしまうと、後から遺産分割協議の無効を主張される可能性があるので注意しましょう。 遺産分割協議が成立するには、相続人全員の同意が必要であり、同意のない遺産分割協議は無効になってしまいます。 遺産分割を口頭でした場合、相続人全員が同意したことを証明できないので、後から同意していないと無効を主張される可能性があります。そもそも口頭でした遺産分割では手続きは進まない
- 口頭で遺産分割をしても手続きが先に進まない
- 各種の相続手続きにおいて遺産分割協議書を要求される場面が多い
口頭で遺産分割をした場合、相続に関連する手続きを進めることはできますか?
相続に関連する様々な手続きで遺産分割協議書を要求されるので、必ず作成しておきましょう。
遺産分割において、遺産分割協議書を作成することは法的には必須ではありません。 しかし、以下のように様々な手続きにおいて遺産分割協議書を要求されるので、必ず作成しておきましょう。
・不動産の相続登記
・預貯金の相続
・有価証券の相続
・非上場株式の相続
・車の相続
口頭での交渉から書面化すべきタイミングについて
- 遺産分割について大まかな割り振りを決めた後、細かい項目について確認していく
- 遺産分割がまとまったら早めに書面にする
遺産分割を口頭でした後に、どのタイミングで書面にすべきでしょうか?
まずは遺産分割協議案を作成し、大まかな割り振りを決めましょう。次に細かい文言を確認し、遺産分割がまとまったタイミングで書面にします。
遺産分割協議案を早めに作成して話し合いの対象となる遺産を把握する
遺産分割をスムーズに進めるために、まずは遺産分割協議案を作成しましょう。 遺産分割協議案とは、どのように遺産分割をするかの叩き台であり、遺産の大まかな割り振りを示したものです。 まずは、誰が相続人であるかと、どのような遺産があるかを確定します。 その後、誰がどの遺産をどのくらい相続するかについて、大まかに決めておきましょう。大まかな割り振りが決まったら細かい文言を確認しながら交渉する
大まかな割り振りが決まったら、細かい文言を確認しながら交渉していきましょう。 具体的には、誰がどの遺産を相続するかについて、預貯金口座・不動産・車両などを詳しく特定します。また、遺産分割の後に判明した遺産や債務について、誰が相続するかを明確にしておきましょう。 上記のような細かい項目についてきちんと明確にしておくことで、遺産分割のトラブルを防止しやすくなります。
遺産分割協議がまとまったら早めに書面化して署名押印をする
遺産分割協議がまとまったら、早めに書面にして署名押印をしましょう。 遺産分割協議書は相続人の人数分の原本を作成し、各相続人が一部ずつ保管するのが一般的です。 遺産分割協議書が複数枚になる場合、割印は必ずしも必須ではありません。しかし、割印があれば、複数の文章がひと続きであることを証明できるので、遺産分割協議書に関するトラブルを防止しやすくなります。
遺産分割協議書に表紙は必要ありませんが、表紙があると中身を見られにくい・文面が汚れにくい・体裁を整えやすいなどのメリットもあります。 遺産分割協議書の用紙サイズは規定がありませんが、各種手続きで提出する機会が多いことや、保存のしやすさを考えるとA4またはA3サイズで作成するのがおすすめです。 遺産分割協議書を公正証書にする方法もあります。元裁判官などの専門職員である公証人のもとで作成するので、法的に問題のない文章を作成しやすいのがメリットです。 また、公正証書は原本が公証役場で保管されるので、遺産分割協議書の紛失や改ざんの心配がありません。 公正証書については、こちらの記事をご確認ください。 公正証書遺言とは?作成の流れ・費用について解説まとめ
遺産分割をする際に、遺産分割協議書を作成することは法的には必須ではありません。 しかし、遺産分割を口頭ですると、当事者の言い分にズレが生じたり、後から無効を主張されたりなど、様々なトラブルの原因になります。 また、相続登記や預貯金の相続など、相続に関する手続きにおいて遺産分割協議書を要求されるので、手続きが滞ります。 遺産分割をする場合は、必ず遺産分割協議書を作成しておきましょう。
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