遺留分侵害額請求の基礎知識と解決のヒント
「親を兄弟に囲い込まれて都合のいい遺言書を作成された」「遺言書が不公平で自分の取り分が少ない」
遺言書の内容が不公平でも、遺留分は法律上認められた正当な権利です。家裁への申立も、弁護士が一緒なら難しいことではありません。
兄弟姉妹の財産の独り占めや親の囲い込み、生前贈与や特別受益に関して主張したいなど、当事務所の弁護士は相続の遺留分に関するお悩みに寄り添い、解決に導きます。
↓遺留分侵害額請求に関わる、問題解決に役立つヒントや基礎知識についてご紹介します。
遺留分とは
遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人が最低限相続できる割合です。遺贈や生前贈与で相続人が全く得られないのを防ぎます。遺留分が侵害された場合は、金銭で請求できます。
遺留分侵害額請求とは
遺留分侵害額請求とは、遺留分が侵害された場合に金銭を請求できる権利で、侵害を知ってから1年以内に行わないと消滅してしまいます。
生前贈与と遺留分侵害額請求
生前贈与は、相続開始前の1年以内に贈与されたものが遺留分侵害額請求の対象となります。遺贈と生前贈与がある場合、遺贈を受けたほうから順に請求対象となります。
遺留分侵害額の計算方法
遺留分侵害額を計算するには、まず基礎財産を決め、その後に遺留分の割合を計算します。基礎財産は、所有財産に生前贈与を加え、債務を引いたものです。
遺留分簡易計算ツール
遺留分侵害額請求は、遺贈や生前贈与で遺留分が侵害された場合に、金銭で補償を認めています(民法第1046条)。このページで簡単に補償額をシミュレーションできます。
遺留分の割合(遺留分率)
遺留分の割合は、直系尊属のみが相続人の場合は1/3、その他の場合は1/2で兄弟姉妹には遺留分はありません。計算は民法に基づいて行う必要があります。
遺留分侵害額請求権の消滅時効・除斥期間
遺留分侵害額請求権には、知ってから1年で消滅する「消滅時効」と、相続開始から10年で行使できなくなる「除斥期間」があります。どちらも確認しておきましょう。
遺留分侵害額請求に関する費用
対象 | 項目 | 費用(税込) | |
---|---|---|---|
請求する側 | 着手金 | 交渉 | 22万円 |
調停 | 33万円 | ||
裁判 | 44万円 | ||
報酬金 | 経済的利益が3,000万円以下の場合 | 手続きで得た利益の17.6% | |
経済的利益が3,000万円超の場合 | 手続きで得た利益の6.6%+330万円 | ||
請求される側 | 着手金 | 交渉 | 22万円 |
調停 | 33万円 | ||
裁判 | 44万円 | ||
報酬金 | 手続きで得た利益×17.6% (但し、最低報酬金33万円) |
遺留分侵害額請求に関する解決までの流れ
遺留分は相続人が最低限受け取れる財産です。受け取れない場合、他の相続人に調停を申し立て、合意すれば回収、合意できなければ訴訟に進みます。