- 後見人とは
- 身元引受人とは
- 後見人と身元引受人の違い
【Cross Talk 】後見人と身元引受け人の違いは?ル
母が高齢で認知症を患っており、今手続きなどをしています。成年後見人になるとのことなのですが、今話を進めている介護老人ホームで身元引受人となることも必要であると知りました。疑問なのですが、後見人と身元引受人って何か違いがありますか?
後見人は法律の手続きによって本人の保護をする立場の人ですが、身元引受人は介護老人ホームで本人に代わって様々な義務を負うことになるという違いがあります。
そうなんですね、もっと詳しくお伺いできますか?
身内が認知症になるなどした場合、成年後見制度の利用や介護老人ホームの契約が必要となります。そのため身内は「後見人(成年後見人・任意後見人)」になったり、「身元引受人」になったりすることがあります。では、後見人と身元引受人はどのように違うのでしょうか。 このページでは後見人と身元引受人の違いについてお伝えします。
後見人・身元引受人がどのような人か確認
- 後見人とは
- 身元引受人とは
まず、後見人・身元引受人とはどのようなものなのでしょうか。
後見人は、成年後見制度で保護者となる立場の人で、身元引受人は介護老人ホームの契約をする際に本人のために一定の義務を負う人のことをいいます。
まずは、後見人・身元引受人がどのような人かについて確認しましょう。
後見人とは
後見人とは、成年後見制度において、成年被後見人の療養看護・財産管理のために家庭裁判所に選任され、様々な権限を有する人のことをいいます。 認知症が進むなどして正常な判断能力を失うと、日常生活に必要な契約などの法律行為を適切にすることができなくなってしまいます。 このような場合に、後見人は選任されたうえで、代理権を与えられて本人のために必要な法律行為などを行うことになります。成年後見制度には、法定後見と任意後見の二種類があり、前者によって後見人となる人のことを成年後見人、任意後見によって後見人となる人のことを任意後見人と呼びます。
身元引受人とは
老人ホームの契約をする際に、親族など一定の人に身元引受人や連帯保証人になることを求められることがあります。 これは、賃貸契約をするにあたって、緊急時の対応や施設に損害をあたえた場合の保証、また老人ホームなどで亡くなった後の遺品を撤去する義務などを負う人を定めておくものです。 これは単なる老人ホームと契約者の間の契約内容に過ぎないので、これによって他の関係で権利や義務を生じるものではありません。なお、身元引受人という用語については、刑事事件の関連で逮捕や補導をされた人が釈放される際に、警察から身元引受人となってくれる人を要求されますが、この意味での身元引受人はこのページでは関係がないので割愛します。
後見人と身元引受人の違いは?
- 後見人と身元引受人の違い
- 代理をすることができるのが後見人で身元引受人は義務を負う
では、具体的に後見人と身元引受人にはどのような違いがありますか?
後見人は代理人になれますが身元引受人は代理人となるわけではありません。また身元引受人は契約内容の義務を負うことになるのも後見人とは異なるところです。
では後見人と身元引受人の違いについて確認しましょう。
後見人は被後見人の代理をする
後見人は被後見人の財産管理権を有しており、財産管理をするために被後見人の代理をする権限が与えられます。 これは成年後見人・任意後見人のいずれを問いません。 一方で身元引受人には、法律上本人の代理をするような権限は与えられていません。負うことがある義務
身元引受人になると、契約している介護老人ホームについての身元引受契約に従った義務を負います。 代表的なものでいうと、- 本人にかわって介護方針などを決定する
- 緊急時の対応
- 賃料の連帯保証
- 退去時の残置物の処理
などが必要になります。後見人になった場合は、
- 被後見人の療養看護や財産管理を負うほか、
- 裁判所や後見監督人に対する報告義務などがあります。
参考:後見人は身元引受人にはなれない
なお、後見人は身元引受人には基本的にはなれないとされています。 後見人は被後見人の財産管理をするために代理権をもっているのは上述のとおりです。 もし、後見人が身元引受人になるとすると、後見人は被後見人の債務の保証をすることになります。 これによって、後見人と被後見人との間に利益相反状態が発生してしまうことになりますので、後見人は身元保証人にはなれないとされています。まとめ
このページでは、後見人と身元引受人の違いを中心にお伝えしてきました。 本人の判断能力がなくなったときに、その生活を支えるために、様々な手続きを親族が行う必要があります。 不明な点があれば弁護士に相談するなどして、早めに解消することをおすすめします。
- 判断力があるうちに後見人を選んでおきたい
- 物忘れが増えてきて、諸々の手続きに不安がある
- 認知症になってしまった後の財産管理に不安がある
- 病気などにより契約などを一人で決めることが不安である
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