未成年後見人には誰がなる?兄弟でも可能か
ざっくりポイント
  • 未成年後見人とは
  • 兄弟でも未成年後見人になれる
  • 未成年後見人になるための手続き
目次

【Cross Talk 】兄弟でも未成年後見人になれますか?

先日母が亡くなりました。父もすでに亡くなっており、私たちの家族は長男以下5人の子どもがいます。末の子がまだ中学生で保護者として未成年後見人というものをつけなければならないらしいのですが、これは兄弟である私がなれるのでしょうか?

はい、未成年後見人は欠格事由がなければだれでもなれます。未成年後見という制度と併せて確認しましょうか。

よろしくお願いします。

未成年後見人は兄弟でもなれる!未成年後見の概要と手続きについて確認

未成年者には親権者が保護を行っており、契約の代理や契約についての同意を行ったり、法律行為の取り消しを行います。しかし親権者が亡くなったり親権を行使できなくなったような場合もありますので、このような場合に備えて法律は未成年後見という制度を置いて、未成年後見人という保護者を置くことにしています。 未成年後見人は欠格事由が無ければだれでもなれますので、兄弟でも就任が可能です。

未成年後見人とは

知っておきたい相続問題のポイント
  • 未成年後見の概要
  • 欠格事由さえなければ兄弟でも未成年後見人になれる

兄弟でも未成年後見人になれるんですね。

はい、ただし欠格事由がないことが前提です。

未成年後見人とはどのような制度か、兄弟でもなれるのかについて確認しましょう。

未成年後見とは

未成年後見とは、未成年者に対して親権を行う者がいなくなったときに、親権者に代わる本人の保護者として未成年後見人を置く制度です。 人が日常生活を送るにあたって、契約などの法律行為をすることは欠かせません。 しかし、法律行為は十分な判断能力のもとに行われるのが前提です。

未成年者は十分な判断能力があるといえないこともあるので、法律行為に法定代理人の同意を要するものとして、単独で法律行為をすることは基本できないとしています(民法5条)。

そこで、法定代理人である親権者が同意や代理をし、未成年者が単独した法律行為を取り消すことができるものとしています(民法5条、民法824条)。 この親権者が亡くなったり、親権を喪失したような場合(民法834条)、法定代理人となる人がいなくなってしまいます。 このような場合に法定代理人になる人として、未成年後見人が選任されます(民法840条)。 これが未成年後見の制度の概要です。

誰が未成年後見人になるのか

では、保護を行う未成年後見人には誰がなるのでしょうか。 未成年後見人については民法847条に規定があり、
  • 未成年者
  • 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人
  • または補助人
  • 破産者
  • 被後見人に対して訴訟をし、またはした者並びにその配偶者及び直系血族
  • 行方の知れない者
は後見人になれないとしています(この規定を欠格事由と呼んでいます)。 この欠格事由がなければ、誰でも未成年後見人になることが可能です。

兄弟も未成年後見人になれる

上述したとおり、欠格事由がなければだれでも未成年後見人になることが可能です。 兄弟の末っ子がまだ未成年者であるような場合に、すでに成人している兄・姉が後見人となることも可能です。

兄弟が未成年後見人になる場合の手続き

知っておきたい相続問題のポイント
  • 未成年後見が始まる場合
  • 未成年後見の手続き

兄弟である私はすでに成人していますので、未成年後見人になれそうですね。では未成年後見を開始するための手続きについて教えてください。

裁判所への申立てが中心になりますので、確認しましょう。

兄弟が未成年後見人になる場合の手続きについて確認しましょう。

未成年者に親権を行う者がいなくなる・親権を行うものが管理権を有しない

未成年後見が開始するケースは「未成年者に親権を行う者がいなくなる」場合と「親権を行う者が管理権を有しないとき」です(民法838条)。 親権を行う者がいなくなる場合としては、親権者が亡くなった場合や、離婚によって親権を失った場合・親権を喪失する審判があった場合がこれにあたります。 管理権の喪失とは、民法835条に定められているもので、親権自体は失いませんが、管理権のみを喪失するものです。

家庭裁判所に未成年後見開始の申立て

以上のような事由があったときに未成年後見の開始の審判を家庭裁判所に請求します。 この請求は、申立書を作成して添付書類と一緒に提出することで行います。 兄弟が未成年後見人になる場合には、未成年後見人候補者として申立書に記載しておきます。 最終的には家庭裁判所が未成年後見開始の審判をする際に決定します。兄弟が未成年後見人となることが不適切な場合には他の者が選任されることもあります。

申立ては利害関係人が行うのですが(民法840条1項)、管理権・親権喪失などで父母がいる場合には、父母が遅滞なく未成年後見人の選任を家庭裁判所に請求します(民法840条1項)。

最後に親権を行う者が遺言書で未成年後見人を指定する

なお、最後に親権を行う者は、遺言書で未成年後見人を指定することができるようになっています(民法大839条)。 兄弟の一人に他の未成年者の兄弟の未成年後見人として託したい場合には、遺言書で未成年後見人とすることを指定しておくのが良いでしょう。

まとめ

このページでは、兄弟が未成年後見人になれるかについてお伝えしました。 欠格事由がない限り、兄弟も未成年後見人に就任することが可能です。 不明な点がある場合には、弁護士に相談することをおすすめします。

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この記事の監修者

弁護士 水本 佑冬第二東京弁護士会 / 第二東京弁護士会 消費者委員会幹事
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