- 株式とはどのようなものか
- 株式を相続する場合の手続き
- 相続税における株式の価格の評価方法
【Cross Talk 】株式を相続した…何をすればいいの?
先日父が亡くなり、母・長男である私・妹で相続をすることになりました。父は会社を経営しており、かつ株式投資もしていました。父の遺産から株式を相続することになると思うのですが、どのように手続を進めていけばよいかイメージがわきません。
株式は会社の持分です。上場株式と非上場株式では、扱いが違うので確認しましょう。
会社のオーナーをしていた方や、株式投資をしている人が亡くなった場合には、株式を相続することになります。 小規模な会社でも大規模な会社でも株式を相続する点では同じなのですが、小規模な会社は株式の譲渡を制限している場合があり、手続などで違いが生まれます。 このページでは株式を相続したときの手続きや税金についてお伝えします。
株式とは何か?
- 株式とはどのようなものか
- 投資対象となっている株式はどのようなものか
そもそも株式ってどのようなものですか?
会社の所有者である株主としての持分のことをいいます。投資の対象になるのは上場している会社の株式ですが、小規模の会社の場合にも株式はあります。
まず株式とはどのようなものか確認をしましょう。
株式とは会社の持分
会社の株式は資金を出資した人(株主)のもので、株主は株主総会で会社についての基本的な事項を決定し、利益が出た場合には配当を受けることになります。 株主としての持分のことを株式と呼んでいます。 この仕組みは小規模な会社でも大規模な会社でも変わらず、小規模な会社ではオーナーが100%持分を所有していることが多いでしょう。投資対象になっている株は上場株式
よく株式として投資の対象になっているのは、株式会社の中でも証券取引所に上場しているごく一部の大規模な会社の株式です。 上場をしているような会社では株式は譲渡されるのを基本としますが、小規模な会社では譲渡を自由にできないようにして経営に関係のない第三者が参加するのを防いでいます。株式を相続するために必要な手続き
- 株式を相続する手続き
- 相続における特例
株式を相続する場合の手続きにはどのようなものがあるのでしょうか。
上場・非上場・遺言のあるなしで変わってきますので順番に確認しましょう。
株式を相続する場合の手続きについて確認をしましょう。
株式を相続する手続きの主な流れ
株主が亡くなると株式も相続されます。 相続人に相続された株式はいったん相続人の共有となりますが(民法898条)、遺産分割によって名義人となるべき人を決めた上で、名義人になる人が会社に対して名義変更の申請をすることになります。遺言がある場合で株式の名義人となる人が指定されていれば、その人が株式の名義人となります。 申請を受けて会社で株主名簿の書換を行い、株式の相続に関する手続きが終わるということになります。
上場株式:遺言がない場合
上場株式を相続したときで遺言がない場合の手続きの流れは次の通りになります。まずはどの会社の株を何株保有していたかを確認する必要があります。 上場株式の取引は証券会社を通じておこないますので、まずは証券会社に残高証明書を出してもらうことになります。
その上で遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成して証券会社が規定する所定の手続きを行い、名義変更を行います。 本来でしたら会社に対して名義変更を行うのが筋なのですが、上場株式については証券会社を通じて行うということを確認しておいてください。上場株式:遺言がある場合
遺言があって、証券会社に預けている株式について相続する人が決まっている場合には、遺産分割協議は不要です。 その遺言書が公正証書遺言以外であれば、まずは遺言書の検認を行います。 そして、遺言書と戸籍などの添付書類を証券会社に提出して、名義変更をしてもらいます。非上場株式:遺言がない場合
非上場株式を相続した場合で、遺言がない場合について確認しましょう。 上場していない株式は個人で会社から取得することになります。したがって、どのような株式を保有しているかを調べます。その上で株式を保有していることが判明したら、遺産分割協議でその株式を取得する人を決めた上で、会社に対して名義変更の申請を行います。 上場企業の場合と異なるのは、会社に対して直接名義変更手続きを行う点です。
非上場株式:遺言がある場合
遺言書がある場合で、非上場株式について相続が決まっている場合には、上場株式と同じく遺産分割協議は必要ありません。 公正証書以外の遺言がある場合にはまずは検認を行い、会社に対して名義変更手続きの請求をします。相続人に対する売渡請求について
相続で株式を手に入れた相続人がいるような場合には、定款の定めがあり、要件を満たす場合は、会社はその株式を売り渡すように請求できることができます(会社法174~177条)。これは、相続によって譲渡された場合に、相続人が株式を手に入れて株主としての権利を行使するのが適切ではないと判断されるような場合があるためです。 この売渡請求権が行使されたときには、相続人は株式を会社に売却する必要があります。
まとめ
このページでは株式の相続についてお伝えしてきました。 株式というものがどのようなものかを確認した上で、その相続手続きについての概要を確認してください。
- 相続対策は何から手をつけたらよいのかわからない
- 相続について相談できる相手がいない
- 相続人同士で揉めないようにスムーズに手続きしたい
- 相続の手続きを行う時間がない
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