
- 内容証明とは送付した文書の内容を証明してくれる文書
- 相続において内容証明は、交渉・遺留分侵害額請求をするとき・包括受遺者に対する遺贈の承認または放棄の催告をする際に用いる
- 内容証明については弁護士と行政書士等が取り扱っているが、行政書士は書面の作成のみが業務の範囲であることに注意が必要
【Cross Talk 】相続で内容証明はどんなときに使いますか?
私の父が亡くなり、母・私と兄で相続をすることになりました。兄がどうしても遺産分割協議に応じようとしなくて困っています。このようなときに内容証明を使うイメージがありますが、相続において内容証明はどのような場合に使うのでしょうか。
相手に行動を要求したい場合にも使いますが、送った文書の内容を証明する必要があるケースではより必要性が高いです。
そうなんですね!私のケースではどうでしょうか?相談に乗ってくれますか?
内容証明というと争いになっているときに送付されてくる、というイメージをお持ちの方も多いです。 確かにそのような一面もありますが、内容証明は本来送付した書面の内容を証明するという機能を持っているものです。このページでは、相続において内容証明はどのように利用されるかについてお伝えいたします。
内容証明とは何か

- 内容証明・配達証明とは何か
- 内容証明の送付方法
そもそも内容証明とはどのようなものなのですか?
文書の内容を証明してくれるもので、配達証明と併せて利用することによっていつ・どのような内容の文書を相手に届けたかを証明してくれる文書です。
まず、内容証明とはどのようなものかを確認しましょう。
内容証明とは
内容証明は、郵便法48条に規定されており、どのような内容の書面を送ったかを証明してもらえる文書のことをいいます。 書面を作成する際には差出人・宛先人の記載も必要なので、どのような内容の書面を誰に送ったかを証明することができます。 後述する、遺留分侵害額請求など時効の期間があるものについては、時効の期限が到来する前に、相手に請求の通知をする必要があります。 しかし、口頭・電話・一般の郵便物で相手に通知を送っても、後日、相手が「そのような通知はうけとっていない」と主張すれば、何らの証明方法もなくなってしまいます。内容証明は、一定の事項を相手に通知する必要があるときに、その内容を証明してもらうことができるので、法律的な必要に応じて利用されています。 また、専門家が内容証明を作成した場合、相手に心理的な圧迫を与えるものであるので、より強い態度で交渉に臨むような場合にも利用されます。
配達証明とは
内容証明を利用するようなケースでは、同時に配達証明も利用する方が望ましいでしょう。 配達証明は、いつ相手に届けたかを証明してくれる制度です(郵便法47条)。 上述したような時効に関するものや、クーリングオフに関する文書などについては、期限があり、期限内に相手に到達することが不可欠です。 そのため、期限内に到達したことを証明するために、配達証明をりようすることがあります。配達証明つき内容証明を作成するには
では、配達証明つき内容証明を作成するにはどうすれば良いのでしょうか。 内容証明郵便は、指定されたフォーマットに従って記載する必要があり、窓口で送付する際には郵便認証士がいる郵便局に出向いて差し出す必要があります。内容証明を差し出すことができるかどうかは、郵便局ホームページで確認してみましょう。 電子内容証明で送付をする場合には、インターネットで作成をして送ることになります。
相続において内容証明を使うケース

- 相続において内容証明を使う場合として、相手との主張が平行線をたどり続ける場合に利用する
- 時効や期限が問題になるものについても内容証明を使う
では、どのような場合に内容証明をつかいますか?
相手との話し合いが平行線をたどる場合や、遺留分侵害額請求のように時効や期限が問題となる場合に利用することが多いです。
では、相続において内容証明を使うケースにはどのようなものがあるのでしょうか。
遺産分割交渉に応じてもらうなどの行動を要求するためにつかう
遺産分割交渉に応じてもらえない、遺産分割交渉が平行線のまま進まない、遺言書が無効であると主張しても相手がゆずらない、など相続に関する争いが生じている場合には内容証明を利用した方が良いでしょう。。 内容証明を送付することで、相手に本気で請求をしていることを伝え、場合によっては送った内容証明を持参して弁護士にご相談をする、といったことによって、事態が次の局面を迎えるという期待ができます。内容証明には、相手に請求したいこと、返答をいつまでにしてほしいか、返答がなければ法的手続きをとること、などを記載します。
遺留分侵害額請求権を行使するためにつかう
遺留分侵害額請求権は、相続の開始と遺留分が侵害されていることを知ったときから1年で時効にかかります(民法1048条)。 そのため、この1年以外に遺留分侵害請求権を行使する必要があります。 そのため、内容証明で遺留分侵害請求権を行使したこと、配達証明で1年以内に相手に送ったこと、を証明します。なお、遺留分の額や支払い方に争いがあるような場合でも、遺留分侵害額請求権についての内容証明を1年以内に送っていれば、時効にはかかりません。 遺留分侵害額請求権については、「遺留分侵害額(減殺)請求権とは?行使方法は?時効は?」で解説していますので参考にしてください。
包括受遺者に対する遺贈の承認または放棄の催告をする
遺贈の中でも、一定の割合を示して遺贈を行う、いわゆる包括遺贈をする場合には、包括受遺者は遺贈を承認するか遺贈の放棄をするかを決めることができます。 遺贈を放棄すれば、遺産は相続人が相続をするのですが、遺贈を受けるのであれば相続人はその分の遺産を相続することができません。 相続人にとって宙ぶらりんの状態を解消するために、相続人が包括受遺者に対して、遺贈を承認するのか・放棄するのかを、一定の期間を定めて催告することができるとし、その期間内に返答がなかった場合には遺贈を承認したものとみなすこととなっています(民法987条)。 この催告にあたっても、内容証明を利用した方が良いでしょう。内容証明の作成を依頼するのはどの専門家が良いか

- 内容証明は弁護士の他にも行政書士も取り扱うことができる
- 行政書士はどのような内容証明作成の代行のみができ、法律関係についてのアドバイスや代理はできない
内容証明を出す場合ですが、行政書士も業務をしていますよね?お恥ずかしい話ですがかかる費用は少しでも抑えたいというのが実情です。
おっしゃるとおり行政書士も内容証明の作成を業務として行えます。ただし、行政書士ができるのは内容証明の作成だけで、法律関係についてのアドバイスや代理をすることができないので注意が必要です。
内容証明の作成についての相談は誰に行うことになるのでしょうか。
行政書士
行政書士は、報酬を得て、権利義務に関する書類の作成をすることが可能で(行政書士法1条の2)、その相談を受けることも可能です(行政書士法1条の3)。 この条文を根拠に、行政書士の中には内容証明の作成を請け負っている方がいます。 ただし、行政書士が業務として行うことができるのは、内容証明の作成のみで、法律関係についてのアドバイスや代理人として相手と交渉をすることはできません。 例えば、すでに遺留分侵害額請求をすることを決めていて、交渉は自分で行うけども、内容証明で時効にならないように内容証明を送りたい、という場合に行政書士に書類の作成を依頼する、というのが良いといえます。弁護士
弁護士には内容証明を依頼することが可能です。 内容証明だけを依頼することも可能ですが、相手との交渉を代理してもらったり、法的なアドバイスをしてもらうことも可能です。 どのような対応をするのが適切かわからない、相手方との交渉で家族の仲が悪くなってしまっている、というような場合に交渉の代理も依頼することが可能です。まとめ
このページでは、相続において内容証明はどのように利用されるかについてお伝えしました。 内容証明が必要かどうか、どのような内容証明を作成するか、など不明な点がある場合には、弁護士にご相談してみてください。


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