- 相続とは何か?という事を考える場合にしておくべきことを知っておく
- 相続財産の配分は民法が規定をしている
- 相続に関する手続きには期限がある
【Cross Talk】今から「相続」について考えたい、まず何を知れば?
「終活」という言葉を見るようになり、私もそれなりに対応が必要と思って相続に関する本などを買ってみました。 ですが、、たくさんの書籍があり、一つ一つ記載されている事が多岐にわたっており、全くの素人の私は何から始めればよいかわからないのです。まず「相続」について最初に知るべきポイントを教えてください。
5つのポイントに分けて解説します。
相続は法律的の規定や税金の規定、手続に関するものなど、非常に広範な知識を必要とします。相続に関して基本的な事項を5つのポイントに分けて基本的な事項を整理しましょう。
相続とはどういう意味?
- 相続によって相続人に財産が移転する
- 個別の財産の移転ではなく、被相続人の地位が相続人に包括的に移転する、という事のイメージをつける
まず、「相続」ってどのような制度なんでしょうか?
法律用語で言うと一般承継というのですが、個別の財産がそれぞれに移転するわけではなく、被相続人の地位が相続人にまるごと移転するというイメージになります。
まず、相続というものがどういうものなのかを知りましょう。 相続の主たる効果は、財産の移転ですが、財産の移転の方法が通常の取引行為とは異なります。 売買契約の場合には、誰が、誰に、どの財産を、いつ、移転するのかという内容を個別に意思決定することになります。たとえば、本を購入することで本屋から買い手に本の所有権が移転します。 ところが、相続は、被相続人(亡くなった人)が有していた個別の預金・不動産・自動車などの財産に対する法律上の地位が、各相続人の個別の意思決定を介することなく、包括的に相続人に移転するという仕組みになっています。個別の財産の移転について特定承継と呼ぶのに対して、相続のような財産の移転方法のことを一般承継と呼んでいます。
相続財産とはなに?
- 原則として被相続人が有している権利・義務の一切が相続の対象となる
- 一部相続財産ではないものもある
- 相続税との関係で相続財産とみなす「みなし相続財産」というものも知っておく
相続の概要はわかりましたが相続で知っておくべき次のポイントはどんな事ですか?
まず、「相続財産」って何か?という事を知っておきましょう。
まず、相続における「相続財産」とは何を指すのかを知りましょう。 基本的には、被相続人が有していた権利の一切について相続人が受け継ぐことになります。
相続財産の中には、不動産・自動車に対する所有権や、銀行に対して預金してあるものを返金してくださいと請求する請求権まで一切の権利が相続財産に含まれます。ただし、年金受給権など、その受給者にだけ支払うことが予定されている一身専属的な権利については、相続財産に例外的に含まない場合もあります。
また、相続税申告の計算のために算定する相続財産については、計算方法が複雑であったり、相続するものではないが、相続税の計算を回避するために利用される生命保険なども相続財産に含んで計算することになります(みなし相続財産)。相続財産は何か?いくらで計算するのか?という事が相続におけるポイントになります。
詳細は「相続財産とは?相続できるもの、できないものの範囲について解説!」で確認してください。
いったい誰が相続人になるの?
- 相続人に関する規定の基本を知る
相続財産がいくらかわかれば、次にどのような事をしますか?
その相続財産を誰が相続をするのか、相続人が誰なのかを確定します。
相続財産が確定すると、その財産の相続人の確定を行います。まず、配偶者は常に相続人になります。ここでいう配偶者は法律上の婚姻をしている人の事を言うので離婚をした場合、内縁関係にある場合でも配偶者になりません。
あとは子が居る場合には子が、子が居ない場合には親が、子も親もいない場合は兄弟姉妹が、それぞれ相続人になります。以上の話は基本的なものなので例外となるケースもたくさんあるのを知っておいてください。
詳細は「【具体例】誰が相続人になる?相続人の範囲や優先順位について解説!」で確認をしてください。
誰が相続財産の分配はどうなる?
- 相続財産の分配は相続割合による
- 寄与分・特別受益など相続に関する具体的な事情による修正がある
相続財産と相続人が確定すると次にはどのような事を行いますか?
相続でどのような分配を受けるか、相続分を確定します。
相続財産・相続人の確定がされると、相続財産について相続人にどのように分配するかを決めることになります。まず、相続割合や具体的な分割の方法が、遺言で指定されている場合には、これによります。 遺言での指定がない場合には、各相続人の合意で決めることになります。合意が成立しない場合には、民法の規定に従って相続割合が決まります。 民法では、相続の順位によって、配偶者とその他の相続人の割合が異なります。具体的には次の通りです。
相続の順位 | 相続する人 | 相続割合 |
---|---|---|
第一順位 | 子と配偶者 | 配偶者1/2 子 1/2 |
第二順位 | 親などの直系尊属と配偶者 | 配偶者2/3 親 1/3 |
第三順位 | 兄弟姉妹と配偶者 | 配偶者3/4 親 1/4 |
配偶者がいない場合にはその他の人が全部を相続します。子が複数居る・両親ともに健在など、兄弟姉妹が複数居るなど、同じ地位に居る人が複数居る場合には頭数で分割します。 例えば、子が3人居る場合には、配偶者1/2 子が1/2×1/3=1/6となります。ただ、子が3人居て、長男は被相続人の生活の面倒をずっとみていた、次男だけが私立の医学部に進学し学費を出してもらった、三男は自宅購入資金をもらっていた、というように生前の事情を考えると一律の割合として計算すると不都合な場合があり、寄与分・特別受益といった制度によって調整をします。
「相続における特別寄与とは?金額は?いつまでに請求する必要がある?」も併せて確認をしておいてください。相続割合については法律で規定されているのですが、実際に遺産を均等に分けるには、すべての財産をお金に換えないとできない、という場合もあります。 そこで、相続人が話合いをして、相続分に近づくように遺産分割協議を行い、具体的な分配の方法を決めることになります。
相続税を払うなどの手続きに期限があることを念頭に置く
- 相続によって手続きが発生するが中には期限があるものがある
相続に関するポイントとしてはほかにもなにかありますか?
相続が発生すると様々な手続きが発生するのですが中には過ぎるとペナルティがあるものもあるので計画的にすすめていくようにしましょう。
相続が発生すると様々な手続きが発生します。 手続上気を付けておくべきものとしては、相続放棄と相続税の申告・納付です。相続放棄をする場合には原則として相続開始から3ヶ月以内にするものとされており、それを過ぎた場合には過ぎた事に対する正当な理由がない限り受付をしてもらえません。
相続税の申告・納付が必要な場合は相続開始から10ヶ月以内にするものとされており、それを過ぎた場合には、延滞税・刑事罰が科されることになります。実際に手続きを行うときには、あっという間に期限が迫ることがあります。
相続放棄をするにあたっては、死後の財産を巡る措置について四十九日法要を迎えるまでは考えない方も多く、この場合すでに期間の半分以上が経過していることになります。 相続税の申告は税理士事務所によっては期限が3ヶ月を切っていると急いで手続きを済ませる必要があることから報酬が加算される事があります。
手続をするには早めに行動をすることを心がけましょう。手続の詳細は「相続など死亡後手続チェックリスト!難しいと思ったら弁護士に相談を」を参照してください。
まとめ
このページでは相続について考える場合に最初に知っておくべき事を5つのポイントに分けてお伝えしてきました。 概要になるので、詳しくはそれぞれのページ内に記載されている事項も参照の上で、手続は期限のあるものが多いので、弁護士に相談するなどしてスムーズに進めるようにしましょう。
- 相続対策は何から手をつけたらよいのかわからない
- 相続について相談できる相手がいない
- 相続人同士で揉めないようにスムーズに手続きしたい
- 相続の手続きを行う時間がない
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