- 不動産を活用して相続税対策を行う方法
- 不動産を活用して相続税対策を行う場合の注意
- 不動産を活用して相続税対策をする場合には税理士に相談をする
【Cross Talk 】相続税対策として不動産の活用を考えているのですが…
私も高齢なので相続についての対策をしようと思っています。私の資産からすると相続税がかかるのですが、不動産を上手く使って相続税対策を考えています。
今持っている不動産を上手く活かすことは可能でしょう。ただし、どのような節税方法が向いているかは、遺産の内容や相続人によって異なるので、相続に詳しい税理士や弁護士などに相談しながらすすめることをおすすめします。
そうなのですね、ぜひ話を聞いてもらえますか?
資産が多く相続税がかかる可能性がある場合には、相続税対策を行うことが望ましいです。このときに不動産を利用して相続税の対策をすることがあります。その方法にはいくつかの方法があるので、主なものについて注意点とともに確認しましょう。
不動産を活用した相続税対策
- 相続税の節税の方法の基本的な発送
- 不動産を活用した相続税対策の方法
不動産を活用した相続税対策にはどのようなものがあるのでしょうか
相続税対策の基本的な考え方と一緒に4つの方法について確認しましょう。
不動産を活用した相続税対策について確認しましょう。
相続税対策の基本的な発想
相続税は、亡くなったときの遺産が相続税の基礎控除の額を超える場合に発生し、その額が多ければ多いほどたくさんの税金を納める必要があります。 また、相続税が発生する場合でも、政策的観点から控除などの制度が儲けられていることがあります。 そのため、相続税対策の基本は、- 遺産を減らす
- 控除などの制度を使う
相続税対策で不動産が利用されるのは、居住に必須の不動産については維持できるように配慮されていることから控除の制度が多いことと、不動産の利用状態によって価値がかわることなどが挙げられます。
小規模宅地等の特例を使う
居住する不動産を相続する場合には、小規模宅地等の特例という制度があり、不動産の価値を最大で80%下げることができます。 居住しやすい住宅は高騰化しやすい我が国の現状に鑑みたもので、遺産が基礎控除額を超えるものの小規模宅地等の特例が適用されれば相続税は発生しないというケースもよくあります。 小規模宅地等の特例については、「小規模宅地等の特例の申告には遺産分割協議が必須!注意点などを確認」で詳しく解説していますので確認してください。土地を持っている場合のアパート・マンション経営
利用していない土地がある場合にアパート・マンション経営を始めることが相続税対策になる場合もあります。まず土地については建物を建てることで価値が下がりますので、遺産として計算される際の価値が下がることになります。 アパート・マンションを建てるのに借り入れをすれば、借金分は遺産から控除されて計算されることになります。 さらに、アパート・マンションを建てると、建てた直後から価値が大きく下がりますので、遺産が少なくなることになります。 建てたアパート・マンションを貸して賃料を得れば、日々の生活や旅行などの娯楽に利用もできます。
値上がりが確実・収益不動産であれば相続時精算課税制度で生前贈与する
将来値上がり確実な不動産や、収益不動産であれば、相続時精算課税制度を利用して生前贈与をしましょう。 将来値上がり確実な不動産を生前贈与すれば、価値が低いうちに生前贈与をしてしまえるので、値上がり分は遺産とならないという意味で相続税対策になります。 同様に収益不動産を生前贈与してしまえば、収益分は以後、受贈者が取得することになるので、被相続人の遺産が増えるということにはなりません。 相続時精算課税制度については「相続時精算課税制度とは?暦年贈与との違いや手続について解説!」を参考にしてください。夫婦間の居住用不動産の生前贈与
一定の要件を満たす場合には、居住用不動産について夫婦間で生前贈与をすることが相続税対策になることがあります。 夫婦間の居住用不動産の贈与については、婚姻期間が20年以上あるなどの一定の要件を満たす場合に、贈与税の規則控除額である110万円に2、000万円を加えた金額が控除されます。相続税対策に不動産を活用する場合の注意点
- 個別に相続税対策になる制度でも全体で考えると損をすることがある
- 相続問題に強い税理士に相談しながら相続税対策をすすめる
不動産を活用して相続税対策をすすめることについてなにか注意点はありますか?
個別の制度を見ると相続税の節税に役にたちそうでも、全体的に検討すると損をするようなケースもあります。税理士と相談しながらすすめることをおすすめします。
相続税対策に不動産を利用する場合の注意にはどのようなものがあるでしょうか。
個々の制度の利用だけではなくトータルで考える
まず、個々の不動産を活用する制度があるとしても、本当にそれを利用することで節税になるかは、トータルで検討するようにしましょう。 例えば、居住用不動産の夫婦間の生前贈与は、それだけ見ると相続税の軽減の効果がありそうですが、同居している場合には小規模宅地等の特例を利用したほうが有利である可能性が高いことがあります。 どの制度を利用するのが一番節税になるか、本当に不動産を活用する方法で良いのかも含めて、相続税対策はトータルで考えるようにしましょう。遺留分に注意する必要がある
不動産を所有する場合に注意すべきなのが遺留分です。 遺留分とは、相続において相続人に最低限保証されているもので、その分を相続できなかった相続人は生前贈与や遺贈を受けた方に対して遺留分侵害額請求を主張することができます。 不動産を相続税対策に使った場合で、遺言書や生前贈与を行うと、不動産の価値が高すぎるために遺留分を侵害することがあるのです。 遺留分に注意して、遺留分を侵害する場合にはその相続人への対処をどのように行うか、ということをしっかり検討しておきましょう。相続に詳しい税理士に相談しながらすすめるべき
以上のように、不動産の活用が相続税対策になる場合でも、現状のどのような資産があるか、相続人は誰か、など様々な要員によって何がベストの相続税対策なのかは、人によって異なります。 上述したようにトータルで考えるにあたっても、どのような制度があるのかを知っていないと利用をすることができません。相続税対策をする場合には相続に詳しい税理士に相談しながらすすめるのが良いでしょう。 なお弁護士法人東京新宿法律事務所には、税理士資格を有する弁護士が在籍しており、法律のみならず税務面からのアドバイスも可能です。
東京新宿法律事務所:相続税対策まとめ
このページでは、不動産を活用した相続税対策の方法と注意点についてお伝えしました。 不動産を活用して相続税対策をするための制度はたくさんあるのですが、利用の仕方を間違うとトータルでは損をすることもあります。 不動産を活用する・しない含め、相続税対策をする場合には相続税に詳しい税理士に相談しながら行うようにしましょう。
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