相続税の計算方法
相続税が発生する場合の税額の計算は次の流れで行われます。
1. 課税価格を計算する
2. 課税遺産総額を計算する
3. 相続税の総額を計算する
4. 各人の相続税額を計算する
5. 各人の納付額を計算する
以下、各項目の概要を見てみましょう。
1.課税価格を計算する
相続税は遺産に対して課されるのですが、相続税の対象となる財産遺産・対象とならない財産遺産があるので、その計算をおこないます。
1-1.相続税の対象となる相続財産
相続税の対象となる相続財産として、
・相続財産
は当然なのですが、相続税の計算上次の財産も相続財産に計算します。
・みなし相続財産(相続税法第3条)
・相続時精算課税(相続税法第21条の9以下)の適用を受ける生前贈与
・相続開始3年以内の生前贈与(相続税法第19条)
1-2.相続税の対象とならないもの
相続税の課税価格の計算にいれないものとしては相続税法第12条に規定があります。
代表的なものには次のようなものがあります。
・墓地・墓石・仏壇などの祖先を崇拝するためのもの(2号)
・一定の寄付(3号)
・保険金について500万円×相続人の数(5号)
・死亡退職金について500万円×相続人の数(6号)
2.課税遺産総額を計算する
課税価格から、基礎控除額を差し引いた額のことを課税遺産総額といいます。
基礎控除額は、「3,000万円+(法定相続人の数×600万円)」です。
3.相続税の総額を計算する
相続人(受遺者がいる場合には受遺者も)全員で払う課税の合計額を計算します。
この金額は次の3つのステップで行います。
3-1.課税遺産総額×法定相続割合
遺言書のあるなしにかかわらず、課税遺産総額を法定相続割合でかけて、各相続人の取得金額を計算します。
3-2.(取得金額×税率)-控除額=各相続人の相続税
取得金額に税率をかけ、控除額を差し引きます。
税率は、取得金額に応じて相続税速算表に規定されている税率を求めます。
3-3.各相続人の相続税を合算する
求められた各相続人の相続税を合算します。
4.各人の相続税額を計算する
計算された全体の相続税から、実際の遺産分割割合(遺言書がある場合には遺言書にそって取得した財産遺産の割合)を計算します。
5.各人の納付額を計算する
各人ごとに税額の加算・控除がありますので、その加算・控除を行います。
例えば、2割加算・配偶者の税額軽減・未成年者控除などがあります。
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