死後事務委任契約の受任者は、委託者が死亡した後にどのようなことをすべきなのでしょうか。
死後事務委任契約でどのようなことを定めるかによって必要となる手続きは異なるのですが、一般的な死後事務委任契約によると、次のような流れで手続きを行います。
親族・知人などへの連絡
親族・知人などへの連絡を行います。
亡くなったことを知らせるほか、相続人や各種届出をしなければならない遺族には、死後事務委任契約を受任していることも併せて伝えます。
市区町村役場への死亡届の提出
市区町村役場に死亡届を提出します。
人が亡くなると、死亡の事実を知った日から7日以内に死亡届の提出をしなければなりません(戸籍法86条)。
死後事務委任契約で依頼を受けていた場合には、死亡届を提出します。
死亡届には死亡を確認した医師が発行する死亡診断書(or死体検案書)を添付する必要があり、死亡届はこれらの書類と一体になっています(A3用紙の右側が死亡診断書で左側が死亡届になっています)。
葬儀・火葬・埋葬の手続き
次に葬儀・火葬・埋葬の手続きを行います。
死後事務委任契約の中で葬儀の方法の指定がある場合には、指定された方法に従います。
火葬を行った後は埋葬の手続きも行います。
先祖代々の墓に納骨する・永代供養の手続きを行うなど、本人が指定した方式に従って手続きを行います。
死後の行政への届出・契約しているサービスを解約
行政への届出などの手続きや、契約しているサービスの解約などを行います。
行政への届出としては、
●健康保険※
●国民年金等
●所得税の準確定申告
●住民税・固定資産税の支払い
契約しているサービスの解約については、
●電気
●ガス
●水道
●インターネット
●固定電話・携帯電話
●フィットネスジム・サブスクリプションなどの各種継続的なサービス
など、依頼者が契約しているものすべてを指します。
なお、電気・ガス・水道などについては、退去などの必要に応じて行うようにしましょう。
※死亡時における健康保険の届出に関しては、従業員の場合は勤務先が行い、それ以外の場合は受任者が行います。
勤務先の退職手続きなど
委託者が従業員として働いている場合には、退職などの手続きを行います。
会社で使用している社員証や鍵・入館パスなどとともに、健康保険証を返却します。
年末調整が必要な場合には遺族から源泉徴収票を預かり、手続きを行います。
賃貸住宅等の退去の手続きや遺品整理
賃貸住宅やケアハウスなどの各種施設に入居していた場合には、退去手続きを行います。
物件に依頼者の所有物が残っている場合には、遺品整理を行うこともあります。
遺族がいる場合、遺品は相続人の所有物になるので、売却や処分をするにあたっては相続人にきちんと確認するようにしましょう。
デジタル遺品の整理
昨今問題になっているのがデジタル遺品です。
デジタル遺品とは、個人のパソコンやスマートフォンなどの端末の中にある写真などの情報や、SNSアカウントなどのことを言います。
委任契約の内容にあるときには、これらの整理を行います。
場合によってはパスワードなどがわからず、ログインできなくなることがあります。
スマートフォンや携帯電話番号を使ったSMS認証が必要となることもあるので、携帯電話の解約を慎重に行うようにしましょう。
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死後事務委任に関するよくある質問
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